川崎F勝利で4戦連続のドロ~沼脱出、次勝てば突破

<ACL:水原0-1川崎F>◇1次リーグG組◇25日◇韓国・水原

 G組の川崎フロンターレがアウェーで水原(韓国)を1-0で下し、1次リーグ突破に前進した。堅い守備ブロックを敷く相手に苦戦も後半3分、MF中村憲剛(36)のFKをDF奈良竜樹(23)が頭で合わせ先制。終盤は相手の猛攻を全員で体を張って守りきった。5月9日のホームで最下位のイースタン(香港)に勝てば、1次リーグ突破が決まる。

 川崎Fが、負けられない一戦で引き分け地獄から脱出した。0-0で迎えた後半3分、MF三好がペナルティーエリア右外で相手のハンドを誘い、FKを獲得。司令塔MF中村の上げたボールを、奈良が頭で合わせ先制。ロスタイムは相手の猛攻を受けたが、水原から16年に加入した守護神チョン・ソンリョンが好セーブし、虎の子の1点を守りきった。奈良は「勝たなければ次はない。割り切って攻撃的にいけていた」と振り返った。

 奈良にとってリベンジの勝利だ。3月1日ACL第2節・イースタン(香港)戦では、前半13分にレッドカードで一発退場。チームは10人で戦い、勝ち点1は手にしたが格下相手に痛い引き分けとなった。人生初の一発退場で「自分のサッカー史上、最悪な試合。でも、最悪な試合はいずれ、最高の試合になる。そこはしっかり糧にして頑張りたい」と気持ちを切り替えた。それから1カ月。「0に抑えることが僕の役目」と集中した守備を掲げてきた結果、自身の決勝弾での完封勝利で、悔しさを「最高の試合」に変えてみせた。鬼木監督は今季ACL初勝利に「選手も気持ちを出して戦ってくれた。いい勝利だった」と賛辞を贈った。

 チームは8日の甲府戦から広州恒大(中国)、札幌、清水と公式戦は4戦連続でドロー。特に21日の清水戦は、ロスタイムのラストワンプレーで追いつかれるショッキングな結末を経験した。ミーティングでは試合の終わらせ方を含め、全員で意思統一を図り、中村は「清水戦を教訓にしないといけない」とこの一戦に臨んでいた。その悪夢を敵地で払拭(ふっしょく)。5月9日のイースタン戦に勝てば1次リーグ突破が決まる。指揮官は「まだ何も成し遂げていない。しっかり勝って突破したい」と気を引き締めた。

 ◆川崎Fの1次リーグ突破条件 5月9日の最終節イースタン戦で勝てば無条件で突破決定。引き分けても、同日に行われる広州恒大-水原戦で水原が負ければ川崎Fの突破が決まる。この場合、広州恒大が勝ち点12で1位、川崎Fと水原が同8で並ぶが、続く順位決定方法の当該チーム間の対戦成績で川崎Fが1勝1分けとリードしているため2位通過となる。