仙台首位 生え抜き若手躍動、4年ぶり準々決勝射程

大宮対仙台 ドリブルで前線に切り込む仙台MF佐々木(撮影・秋吉裕介)

<ルヴァン杯:大宮1-2仙台>◇1次リーグ◇3日◇NACK

 生え抜きの若手が躍動し、首位に浮上した。ベガルタ仙台はアウェーで大宮アルディージャを2-1で破った。先発11人中9人が生え抜きで、その内5人が21歳以下という布陣で臨むと、その若手が大活躍。前半17分にMF佐々木匠(19)が先制弾を放つと、後半12分にはFW西村拓真(20)が今季初ゴールとなる貴重な追加点。勝ち点を9に伸ばし、4年ぶりの準々決勝進出へ、大きく前進した。

 生え抜きの若手が、3日前にリーグ首位の浦和を倒して勢いに乗る相手と堂々とわたり合った。渡辺晋監督(43)は「いいゲーム運びだった。11人のうち9人が生え抜き。MF野沢とDF石川直がサポートしてくれた。地方クラブが生え抜きで、アウェーで勝ち点3を取れたことは大きな1歩」と選手をたたえた。

 今季14試合目にして、初めて前半に先制を決めた。5年目のDF蜂須賀孝治(26)が上げたクロスを起点に、最後は2年目の佐々木が右足で振り抜いた。佐々木は「今日は絶対に点を取ることを決め、前半からペースを上げていた。僕とハチさん(蜂須賀)はいい関係」。試合を通して高い位置を取り続け、好機を演出した先輩に感謝した。

 相手の猛攻をMF椎橋慧也、DF小島雅也(ともに19)と若手主体の3バックが懸命に防ぎ、前半を1点リードで折り返す。後半12分。生え抜き若手のリーダー格のMF奥埜博亮(27)が左サイドにパスを出し、受けたFW西村拓真(20)がドリブルで快走。そのままペナルティーエリア内に進入し、右足で決めた。

 結果を残せていなかった西村は、ゴール後に指揮官に飛びつく。「チャンスを与えてくれたので、感謝しないと」。この日に成果が出た、スペースがある時のドリブル練習の指導を受けた福永コーチにも感謝。1日の練習で石野GKコーチの車にボールを直撃させた際は「チームの勝利に貢献すればチャラになる」と約束。見事に有言実行した。

 若手の才能が見事に結束してつかんだ勝利。蜂須賀は「勝たないと評価されない」と言った。主力組を超えるべく、ルヴァン杯のチーム目標「ベスト4」だけを見据える。【秋吉裕介】