新潟の呂比須監督「リラックス、楽しく」/平畠啓史

呂比須監督(右)の話を聞く平畠(中央)と吉武アナウンサー

 Jリーグ通のお笑いタレント平畠啓史(48)がJリーグのクラブを独自目線で紹介するスカパー!の番組「平ちゃんの『ほな行こか。』」が好評だ。今回はアルビレックス新潟を訪問し、呂比須ワグナー監督(48)に突撃。吉武史アナウンサー(33)とともに、ロペス流指導など根掘り葉掘り聞いた。7月8日の初回放送を前に、ファン必見のインタビューをお届けする。

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 平畠 呂比須さんが今ね、気がつけば新潟でね。監督してるっていろんな縁があるんでしょうけど。ご自身でもいろんな縁とか不思議なこととかあって、新潟でされてるんですもんね、監督。

 呂比須 長い間、こういうチャンスを待ってたんです。アルビレックスから、こういうチャンス与えてくださって心から感謝です。残留争いということもありますけれども、1戦1戦、サポーターの皆さん、地元の皆さんご一緒に戦っていい勝利して恩返ししたい。

 平畠 新潟っていうところに、もう住んでるわけじゃないですか。

 呂比須 もう1カ月になりました。

 平畠 住んでみて、この街っていうのは、いかがですか?

 呂比須 素晴らしいところです!ホントにもう、地元の皆さん、すごくご親切だし。こちらはやっぱり道がそんなに混まないし、食べ物もおいしいですし、魚料理大好きなんですよ。あと、やっぱり涼しいじゃないですか。冬寒いんだけど、でも、暑いよりも寒い方がいいんですよ、自分が。だからこっちがピッタリじゃないかなと思って、ホントに来て良かったなと。

もちろん今、苦しい状況の中なんですけれども、サポーターが“頑張ろう!”って、いつも声掛けてくれてるし、“一緒に!もう絶対応援するから!頑張ろう!勝ちましょう!”いつも声掛けてくださってるんで、この人たちのためにやんなきゃいけないなと、ずっと持ちながら、走ってきてるんで。

 平畠 サポーターの方々が「たまに練習中、呂比須監督が結構冗談とか言うんですよー」とかおっしゃってましたが。

 呂比須 はい。僕が入った時に、すごい硬すぎちゃって…。

 平畠 あー。

 呂比須 選手たちがやっぱりなんて言えばいいんですか、ずっと負け続けていたんですよね。だから、硬くなってサッカーしていて。やっぱりサッカーはリラックスして、楽しく!

 平畠 楽しいですもんねー。

 呂比須 もちろん、真面目な話をする時は真面目な話をしますけど、やっぱりもっと“リラックス!”。『リラックス』という意味を間違える人が多いんですよ。リラックスだから走れない、リラックスしてるから一生懸命やらない。そういうリラックスじゃなくて。

 平畠 うん、うん。

 呂比須 やっぱりもう少し明るく練習をやらないといけないなぁーと思って。だから、冗談をたまに入れないと今までやってきた事と変わらない。少しずつ明るさが出てきたら、より仕事が出来るんじゃないかな?と信じています。でもやっぱり、厳しい事を言う時はしっかり言うし、「仕事だよ」と言いながらミスがあり得るんですよ、人間だから。「ミスしないでくれ」って言えない。でも、ミスした瞬間、うまくいかない瞬間はやっぱり早く切り返して良い方向に、ポジティブなリアクションが欲しい。そういう話をしながら、たまに冗談は必要だと思っています。もちろん全部ジョークじゃなくて、指示出しながら正しい判断とかポジショニング、たまにジョークを入れたりした結果、選手達も少しずつリラックス出来るようになってきているんじゃないかな? 自信取り戻してるんじゃないかな?と思っています。

 平畠 だって、結構(長時間)練習続いた後に「あと3時間!」とか(冗談で)言うんでしょ?

 一同 (笑い)

 呂比須 疲れているというのは分かっているけど、「疲れているけど、頑張らなきゃいけないぞ」と言う(メッセージ)。3時間は冗談だってみんな分かってるけど、最初は全然笑ってくれなかったんですよ。

 平畠 (笑い)

 呂比須 寂しかったですよ。

 平畠 そりゃあ、寂しいですね。

 呂比須 寂しいですよ。

 吉竹 私、今日練習見ていて思ったんですけど、監督すごい(選手を)褒めてらっしゃるなと思っていて。「すごくいいねー」とかおっしゃってませんでした? あーこんな感じなんだと思って。

 呂比須 普通の日本人の監督言えないじゃないですか。

 平畠 あー。

 吉竹 やっぱりもっと怖い感じがしたんですよね。そのー日本人の監督の方とかって。

 呂比須 そーじゃなくて、やっぱりもっと人間関係近づいてほしい。

 平畠 なるほど。

 呂比須 そうファミリーになるために、やっぱり呂比須ワグナーどういう人間なんだ?って。

監督になる前に人間じゃないですか。

 平畠 うん、うん、うん。

 呂比須 やっぱりだから、もっと近づいて“信用出来るぞ”っていうメッセージを伝えていこうと。ただ、サッカーの真面目な話になるとやっぱり「勝たなきゃいけないぞ。あなたは、私の出した指示をやってくれないと違う人使いますよ」と平気で言うから。今の環境は、少しずつその明るさとかに関しては、変わってきているんじゃないかなーと思っています。

 平畠 じゃあ、選手ももっと(監督に)突っ込んでいってもいいわけですね?

 呂比須 あー、あるところまではね。

 平畠 「3時間も出来るかーい」とか言うていいんですね?

 呂比須 それ言ったら、たぶん面白い返事、返すかもしれない。

 平畠、吉竹 (笑い)

 呂比須 面白い話があるんですよ。昔の柏レイソルにドイツ人の監督がいたんですよ。僕はもちろんドイツ語しゃべれないけど、日本語と英語少ししゃべれるけど、スペイン語も大丈夫だけど、その時にその監督さんがね「みんな意見出していいよ」と。

 平畠 うん。

 呂比須 それで、ブラジル人通訳の方が日本語しゃべって、その時に監督が「呂比須、あなたの意見は大切だよ。クビになっても大切だよ」と。

 呂比須、平畠 (笑い)

 呂比須 「わかりました!監督の言う事ちゃんとやります!(おじぎ)」

 一同 (笑い)

 平畠 厳しい、難しい。なるほどー。

 呂比須 バランスを取りながら、ジョークを言いながら、たまに厳しい事を言う。だけどやっぱり監督の立場、監督のスタンスをちゃんと分かってる選手たち、いくら練習中にそういう軽いジョーク入れても、真面目な話する時はちゃんとリスペクトしているし、お互い尊敬しながら、“頑張っていこうよ”という事を一番大切にしたいです。

 平畠 あのー、呂比須さんが、こうやってちゃんとこの新潟の監督のオファーを受けたのは、今、新潟は時期的、成績的には大変な時ですけど、やっぱり新潟の街とか、クラブとかにもっと上にいけるポテンシャルがあるから受けたと思うんですけど。

 呂比須 そうです。

 平畠 そのあたりはやっぱり実際に来てみて、やってみてどうですか?

 呂比須 まー僕、考えた事そのままです。その通りです。

 平畠 うん。

 呂比須 この練習場も素晴らしい環境で、練習させていただいているし、全部必要な事、必要な物全部用意してあるし、選手たちも若い選手たちの育て方もしっかりしているし、サポートも素晴らしいサポートだし、スタジアムも世界のビッグスワンなんで。

 平畠 うん、うん。

 呂比須 上に向けて、上目指して一緒に戦っていきたいチームだし、こういう街もサポーターの皆様も一緒に戦っていきたいな。1戦1戦ずつ大事にして勝利、白星になっていけば少しずつアップ、一歩ずつ上の方を目指して頑張っていきたいです。

 平畠 あの…アルビレックス新潟楽しみにしたいですけど、プラス呂比須監督のこれからの

采配とか色々楽しみにしたいと思います。

 吉竹 うんうん。

 呂比須 一生懸命やります。(おじぎ)

 平畠 今日は貴重な時間いただきまして、本当にありがとうございました。

 呂比須 いえいえ、ありがとうございました。

 吉竹 ありがとうございました。

(敬称略)

 ◆放送情報 平ちゃんの「ほな行こか。」#4 ~新潟篇~ 初回放送:7月8日(土) 22:00~23:00。放送チャンネル:スカサカ!(800/580)ほか再放送多数