浦和4失点ペトロ監督連勝しないと辞任、サポへ約束

川崎F対浦和 敗れた浦和ペトロビッチ監督(左)はサポーターと話し込む(撮影・山崎安昭)

<明治安田生命J1:川崎F4-1浦和>◇第13節◇5日◇等々力

 浦和レッズが川崎フロンターレに1-4で完敗した。8年ぶりの10試合連続失点で、リーグ戦折り返しながらも昨季の年間負け数を上回る7敗目となった。試合後、不満を募らせるサポーターに対し、ミハイロ・ペトロビッチ監督(59)が約1時間も対応する異例の事態に発展。同監督は9日の次節ホーム新潟戦から連勝できなければチームを去る決意を表明した。クラブは現時点での解任を否定した。

 完敗だった。前日練習で急きょ試した4バックを採用したが、槙野と遠藤の両センターバックの間をつかれて前半で2失点。後半37分には遠藤が一発退場でPKを献上した。昨季リーグ最少28失点だった守備はすでに29失点、敗戦数も昨季を上回った。スタンドの一部からはペットボトルが投げ込まれ、異様な雰囲気になった。

 試合後、チームバスの前には不満を募らせたサポーターが集まった。ペトロビッチ監督はバスを降り、直接対応した。調子が上向かないチームに「いつまで待たせるんだ」などと声をあげるサポーターに、指揮官は柵ごしに「私が辞めるのが簡単だが、また喜んでもらえるようベストを尽くす」と訴えた。

 1度は収束し、監督はバスに乗り込んだが、別のサポーターが出口付近で説明を求めたことで2度目の対応に追われた。同監督は選手を待たせて再度バスを降り、クラブに誘導された約50人のサポーターに囲まれた。すると「次の新潟戦に勝って、連勝をスタートできなければ、私が最初にチームを離れる」と声を大きくした。次戦以降、自分のクビをかけて戦うことを口にした。

 サポーターへの対応は午後10時前から1時間以上に及んだ。淵田敬三社長らとともに指揮官に立ち会っていた山道守彦強化本部長は、「チームを離れる」という指揮官の発言に関して「エモーショナルになった発言だと理解している」と説明。今後については「(人事は)彼でなくクラブが決めること。(解任は)ありません。全力でサポートするだけ。それがすべてです」とはっきり言った。

 浦和は現在8位。もはや1つの勝利では、サポーターを納得させられないところまできている。指揮官と選手の意地が問われる。【岡崎悠利】