初代表杉本不発に豪戦へ「悔しい気持ちぶつけたい」

C大阪対鹿島 後半、C大阪FW杉本(左)はDF植田からマークされユニホームを引っ張る(撮影・加藤哉)

<明治安田生命J1:C大阪0-1鹿島>◇第24節◇26日◇ヤンマー

 悔しさは代表で晴らす! W杯アジア最終予選日本代表に初選出されたセレッソ大阪のFW杉本健勇(24)が首位鹿島アントラーズとの決戦で不発に終わり、チームは0-1で敗れて2位から4位に転落。14戦ぶりの無得点で今季のホーム不敗神話も崩れたが、杉本は「この悔しい気持ちを(代表で)ぶつけたい」。今日27日に合流する日本代表で、サバイバル戦を勝ち抜く決意を新たにした。

 杉本“らしさ”は見せた。0-0の後半30分、CKでニアにねじ込み頭で合わせたシュートは惜しくもGKにはじかれた。「あと5センチ、10センチの差。そこを決めきれないと」。鹿島のシュート6本に対し、C大阪は13本。杉本も4本放った得点機をものにできず、一瞬のスキを突かれて敗れた。「悔しい。(足りなかったのは)決定力」と何度も言った。

 代表合流前の「壮行試合」だけでなく、優勝を争う上での大一番だった。杉本は同じ日本代表の鹿島DF植田、昌子に厳しくマークされたが、くさびになり、おとりになってチャンスを演出した。尹晶煥監督が「攻撃の起点になれる。それが一番の成長」と評価する得点力に並ぶ長所だが、鹿島の壁は崩せなかった。

 「次で借りを返したいと思うけど、次は代表。もやもやというか、この悔しい気持ちをぶつけたい」。勝ち点3を置き土産に晴れやかな気持ちで代表に合流することはかなわなかったが、逆に闘志が湧いてきた。「(自信が)なかったら辞退した方がいい。W杯に行けるかどうかの戦い。気を使ってる場合じゃないし、試合に出られるようにアピールしたい」と言い切った。

 代表での実績はないが、187センチの長身と足元の技術を兼ね備えた素材は、未知の可能性と魅力にあふれる。そして何より、ハートの強さがある。「生きるか死ぬか、天国か地獄かの勝負。負ける気はしないし、試合に出たい。チャンスがあれば、点を決めたい」。もやもやを抱えたサムライが、それを晴らすべく新たな戦いに斬り込む。【実藤健一】

 ◆日本代表センターフォワード争い 24日のメンバー発表で示された序列は岡崎、杉本、大迫の順だった。大迫は昨年11月に岡崎から定位置を奪ったが、今年7月に負傷。帰国後に状態を見極めるため3番手の扱いになった。岡崎はプレミアリーグで開幕2戦連発と絶好調。大迫次第だが、オーストラリア戦先発の最有力候補だ。長身杉本はパワープレー時の途中起用か。