“聖地の神様”札幌ヘイスが5戦ぶり勝利呼ぶ頭弾

後半8分、先制ゴールを決める札幌FWヘイス(中央奥)(撮影・佐藤翔太)

<明治安田生命J1:札幌1-0仙台>◇第24節◇26日◇札幌厚別

 北海道コンサドーレ札幌が5試合ぶりとなる白星をホームでつかんだ。12位ベガルタ仙台戦は後半8分、FWヘイス(28)がMF兵藤のクロスに頭を合わせて、ゴール左に沈めた。ヘイスの2戦連続弾で、今季開幕戦0-1で敗れた相手に1-0で雪辱した。これで、札幌厚別では仙台に9戦負けなし。自力でJ1残留圏内の暫定14位に浮上し、次節9月9日ジュビロ磐田戦(札幌ドーム)へ弾みをつけた。

 サポーターの間で「聖地」と呼ばれる札幌厚別で、無類の勝負強さを誇る背番号11が、チームを5試合ぶりの勝利へ導くゴールを決めた。後半8分、MF兵藤が敵陣ペナルティーエリア(PA)左付近から、クロスパスをゴール前に供給。ぽっかりと空いたスペースに走り込んだFWヘイスが、ドンピシャのヘディングシュートをゴール左に沈めた。

 来日1年目の昨季はJ2水戸戦で1得点、今季は天皇杯ふくしまFC戦で2得点と、札幌厚別開催の試合には、なぜかめっぽう強い。“聖地の神様”は「相性が良いみたい。毎試合、ここでやってもいいかな」と明るい笑みを浮かべて「サポーター(との距離)が近くて、熱いものを感じる。モチベーション的に、すごくやりやすい環境なんだ」と、こぢんまりとしたスタジアムを絶賛。「前線の選手に求められるのはゴール。今日は自分にとっても、チームにとっても良い1日になった」と、サポーターの後押しに感謝した。

 後半戦から、J1でも実績のある元イングランド代表FWジェイ、タイ代表MFチャナティップが加入し、前線の定位置争いは激しくなる一方だ。前節川崎F戦(等々力)では後半途中に出場し、30分間プレー。その中で1得点し上位相手に一矢報いるなど、苦しい場面での活躍が光る。

 札幌厚別での仙台戦は、JFL時代も含めて10勝1分け(J通算8勝1分け)と、無敗を継続中。負ければJ1降格圏転落の可能性もあった大事な試合で、自力で残留圏内に踏みとどまった。一進一退が続く中、リーグ戦も残りわずか。聖地のヒーローは「あと10試合、すべて勝ちたい。僕自身、自信は持っている」と頼もしい。残留へのカウントダウンが、いよいよ始まる。【中島宙恵】

 ◆札幌の対仙台 J1では12年8月11日2-1(札幌ドーム)以来の白星で、通算2勝4敗(4得点9失点)となった。J2では大きく勝ち越しており、13勝8分け6敗(33得点23失点)。ルヴァン杯(前身のナビスコ杯を含む)は1分け2敗(2得点4失点)となっている。