清水完敗崖っぷち、今季最低タイの暫定14位 

清水対磐田、勝利した磐田イレブンは清水イレブンと握手する(撮影・柴田隆二)

 清水エスパルスは、ホームのアイスタでジュビロ磐田に完敗した。DF松原后(21)が前半に一発退場となり、後半も反撃できずに0-3。今季最多1万8556人の観客が集まったが、FW北川航也(21)ら若手も不発だった。リーグ戦、ルヴァン杯と合わせて磐田に今季3戦全敗は、2003年以来の不名誉な結果だ。順位も13位から14位に転落し、J2降格への危機感はさらに高まってきた。

 冷たい雨が降るピッチに、北川がしゃがみこんだ。試合終了後、雨にぬれたユニホームで何度も顔をぬぐった。静岡市出身で清水の下部組織育ち。人一倍気合が入っていた。「チームを救えなかった。10人でも、次につながる戦いをしないといけない。悔しい」。

 1点を追う前半ロスタイム。松原は磐田DF高橋祥平(25)のスライディングに激高し、左肩で突き飛ばした。これで一発退場。1人少ない中、小林伸二監督(57)は「1点差のまま守って、チャンスを作ろう」と後半に臨んだ。だが、課題のセットプレーで追加点を許して万事休す。選手は足をけいれんさせながら、懸命に走り続けたが無得点。指揮官は「最後まで応援してもらいましたが、残念な結果です…」と肩を落とした。

 試合後、松原はゴール裏に向かって頭を下げた。サポーターからの容赦ないブーイングに、顔を上げられなかった。磐田ジュニアユース出で、静岡ダービーにかける気持ちは強かっただけに「未熟さと、周りのすべての人に申し訳なさを強く感じます。責任を感じています」。敗因を背負い込んだ松原に、主将のFW鄭大世(33)は「みんな同じ経験をするから、気にすることない」と声をかけた。

 ホーム5連敗で、大事なリーグ終盤で4戦勝ちなし。順位は13位から今季最低タイの暫定14位に下がった。今日15日に甲府が東京に勝利すれば、清水は降格ライン1歩手前の15位になる。この現状を踏まえて鄭は言った。「(松原を)周りがどれだけかばってあげられるか。チームがバラバラになったら降格する。ショックは大きいけど、引きずらないことが大事」。残り5戦。どん底からはい上がるしかない。【保坂恭子】

 ◆静岡ダービーの退場者 リーグ戦では、松原が9人目。前半での退場は95年4月22日(日本平)の清水DF朝倉徳明以来22年ぶり2人目。99年のチャンピオンシップ第2戦では、清水MFアレックス(現三都主アレサンドロ)が前半35分に一発退場。試合は清水が延長Vゴール勝ちで2戦合計で並んだが、優勝を決めるPK戦で敗れた。