清水がヨンソン新監督発表、「王国清水」再建託す

ヤン・ヨンソン監督(17年9月23日撮影)

 清水エスパルスは20日、来季監督にヤン・ヨンソン氏(57=スウェーデン)の就任が決定したと発表した。外国人監督は、清水にとってJリーグ参入後8人目。14年シーズン途中まで率いていたアフシン・ゴトビ氏以来、4季ぶりとなる。ヨンソン氏は今年7月から古巣広島の監督を務めており、Jリーグ2クラブ目となる清水で手腕の発揮に注目が集まる。

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 スウェーデン人指揮官の腕に、「王国清水」の再建が託されることになった。この日、ヨンソン氏が来季の監督に就任することが正式発表された。クラブを通じ「清水で、サポーターの皆さんのためにハードワークすることを本当に楽しみにしています。静岡はサッカーに対して深い文化を持っています。その中で、チームとサポーターと一緒に仕事を始めることが今から待ち遠しいです」とコメントした。

 内藤直樹強化部長(49)は「場面やチームに合った戦術を選べる。柔軟性がある」と新監督への期待を口にした。現役時代の97年には、当時JFLの神戸でプレー。その際コーチを務めていたのがヨンソン氏だった。人柄については「真面目で熱く、真摯(しんし)な人」と印象を明かした。

 J1上位を目指す清水で、攻撃的スタイルを再構築する。ヨンソン氏が今年7月から監督に就任した古巣広島では、前線にブラジル人助っ人を起用。ロングボールから得点を奪うパターンが多かったが「本当はパスをつないで崩すサッカーをしたい」と明かしていたという。左伴繁雄社長(62)は「我々が目指しているサッカーに導いてくれると思う」と期待する。

 守備面の強化にも定評がある。広島では1試合平均約1・7点だった失点を、就任後は約1・1点と減少させた。J2降格圏の17位に低迷していたチームを立て直し、リーグ16戦を6勝4分け6敗でJ1残留に導いており、内藤強化部長は「逆転負けが多いなど、今年の戦いから出た反省を克服できる監督」と期待していた。【保坂恭子】

 ◆ヤン・ヨンソン 1960年5月24日、スウェーデン・ハルムスタッド生まれ。78年から地元のハルムスタッズでプレー。93年にはコーチとして広島に加入するも、現役復帰。95~96年、当時JFLの神戸でもプレーした。現役引退後はユングスキーレ(スウェーデン2部)、ランズクルーナ(同1部)、スターベク(ノルウェー1部)、ローゼンボリ、オーレスン、ハルムスタッズの監督を歴任。スターベクでは07年に準優勝、08年にリーグ優勝に導いた。欧州サッカー協会コーチライセンスを取得している。