新潟の全国制覇新人コンビW渡辺がJ1復帰を牽引

鈴木新監督(前列中央)とともにJ1復帰を誓う今季新加入の選手たち。前列左から渡辺新、高木、1人置いて戸嶋、渡辺泰基、後列左から田口、柳、広瀬

 全国制覇の新人コンビがJ1復帰をけん引する。アルビレックス新潟の新体制発表会見が11日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで行われ、今季加入の7選手が出席した。注目は新潟の下部組織出身のFW渡辺新太(22=流通経大)とDF渡辺泰基(18=前橋育英)。渡辺新は今季の全日本大学選手権、渡辺泰基は全国高校選手権でそれぞれ優勝。文句なしの実績を引っ提げてのプロ入りだ。ともに幼いころからの夢だった新潟入団がかなった。培ってきた実力を発揮し、J1復帰に貢献する。

 淡々とした口調の中に、意欲をにじませた。会見でマイクを手にしたFW渡辺新は「バイタルエリアでの仕掛けと、ゴールを奪うこと」とセールスポイントを挙げた。DF渡辺泰基は「左足のキックとタイミングのいいオーバーラップ」と特徴を話した。

 この日の午前、選手全員が集合し、鈴木政一新監督(63)と初対面。「目標達成のため、どういうプレーをし、どんなサッカーをするか。共有しながらスタートしよう」。その言葉に気持ちを引き締め直して臨んだ会見だった。プレーの売りを言葉にするのに迷いはなかった。

 周囲が認める実力の裏付けがある。渡辺新は昨年末の全日本大学選手権で、流通経大の切り札として3年ぶり2度目の優勝に貢献。決勝の法大戦は後半に途中出場し、決勝点をアシストした。渡辺泰基は全国高校選手権で初優勝した前橋育英(群馬)の不動の左サイドバック。大会の優秀選手に選出された。1年でのJ1復帰を目指す重要な年に、下部組織の出身者たちが全国制覇を手土産に、新潟に戻ってきた。

 渡辺新は新潟ユース(現新潟U-18)、渡辺泰基は新潟U-15出身。卒業後の新潟入団を意識し、それぞれのカテゴリーで活躍した。「流通経大は層が厚い。試合に出られないときにサッカーに取り組む姿勢を学んだ」(渡辺新)「勝負事で絶対に勝つ、という気持ちを出せるようになった」(渡辺泰基)。アマチュアで鍛えた精神力は、プロで活躍する土台になる。

 J2に降格した直後のプロ入り。「確かにお客さんも当時より少ないと思う」と話した渡辺新は、「J1に上がって盛り上げる」と誓いを立てた。渡辺泰基も「J1もJ2も関係ない。アルビは自分の好きなチーム。自分が頑張って、また多くのお客さんに見てもらいたい」。大好きなアルビの再興。2人のルーキーはそれを使命と受け止め、プロの扉を開けた。【斎藤慎一郎】

 ◆渡辺新太(わたなべ・あらた)1995年(平7)8月5日生まれ、新潟市出身。FC五十嵐ジュニアユースから新潟ユースに。流通経大では16年に全日本大学選抜に選出された。ポジションはFW。170センチ、67キロ。背番号16。

 ◆渡辺泰基(わたなべ・たいき)1999年(平11)4月22日生まれ、新潟市出身。新潟U-15から前橋育英に。17年に日本高校選抜メンバーに選出された。ポジションはDF。180センチ、74キロ。背番号29。