新潟堀米、高木美帆金に刺激 開幕先発「準備する」

攻守の切り替えから攻め上がるDF堀米

 メダリストからパワーをもらって開幕に備える。静岡キャンプ中のJ2アルビレックス新潟は22日、御前崎ネクスタフィールドで練習を行った。DF堀米悠斗(23)は新潟で初の開幕スタメンを虎視眈々(たんたん)と狙う。連日、平昌五輪を宿舎でテレビ観戦。スピードスケート女子団体追い抜きで、同郷北海道の高木美帆(23)ら日本チームの金メダル獲得も見た。アスリートの奮闘を楽しみながら、不動の左サイドバックとしてシーズンを迎える意欲を高めている。

 リラックスした表情が堀米の仕上がりの順調さを物語る。「開幕スタメンは監督が決めること。一喜一憂せず、自分のやれる準備をする」。札幌から新潟に移籍した昨季開幕はベンチ外だった。札幌で開幕スタメンはなく、14年に期限付き移籍したJ3福島で初めて経験した。今季選ばれれば4年ぶり。「縁があれば出られるでしょう。出たら100%出し切るだけ」。開幕の讃岐戦(25日、香川・Pikaraスタジアム)へ気負いはない。

 左サイドバックを昨季から主戦場にしてきた。不動にする手ごたえがある。昨季はハーフウエー近くに位置取りして仕掛けていったが、今季はそこまで上がらずに攻守のバランスを重視。鈴木政一監督(63)は「バランスは悪くない。もっと相手を知ることが大切」と注文をつける。堀米も「監督は絶対に低い位置にいろと言っているわけではない。相手が嫌がるようなら高いところで構える」と状況判断を第一に考える。

 キャンプ中のリラックス方法は平昌五輪のテレビ観戦。「毎日、めっちゃ見ていますよ。北海道の選手が頑張っているし、新潟出身の選手の名前も出てくる」。21日はスピードスケート女子団体追い抜きの金メダルとカーリング女子の1次リーグを、チャンネルを変えながら見た。

 団体追い抜きの高木美帆は同学年。高木は札内中時代、地元クラブでサッカーをしていた。面識はないが、同期同郷の存在は親近感が湧く。カーリング吉田知那美(26)とFリーグ大阪に所属する兄将太(25)が知り合いで、家族とも親しいという。テレビ越しの応援は自然と熱が入った。

 トップレベルの戦いは、競技が違っても闘争本能を刺激する。「今季はJ1に何としても上がらなければならない。目の前の試合に全力を尽くす」。開幕戦のピッチで最初のフルパワーを見せる。【斎藤慎一郎】