C大阪片山“雑草戦士”が先制弾 1次L突破に王手

C大阪対済州 前半、C大阪DF片山(中央)が先制ゴールを決め、抱き合って喜ぶC大阪イレブン(撮影・前田充)

 4年ぶり出場のセレッソ大阪が1次リーグ突破に王手をかけた。済州(韓国)を2-1で下し、G組2位に浮上。前半16分に公式戦初先発のDF片山瑛一(26)がCKから先制ゴール。34分にはFW柿谷曜一朗(28)が追加点を挙げた。最終戦となる17日のアウェー広州恒大(中国)戦に勝てば決勝トーナメント進出が決まる。

 負けられない一戦で“雑草戦士”が仕事をやり遂げた。前半16分。MF田中亜の左CKに公式戦デビューの片山が、倒れ込みながら左足で合わせた。「相手の隙を突けた。ここでチャンスを生かしたかった」。勝利への流れを作り、同34分には右サイドを崩して最後は柿谷が2点目を決めた。

 勝ち点5のG組3位で迎え、敗れれば自力通過の可能性が消える一戦。リーグ戦の湘南戦から中2日で、先発8人を入れ替え、その「控え組」が大活躍。柿谷は「初めてピッチに立つ選手も意識高く準備できていたし、うちの方が気合で勝った」と言った。

 片山は埼玉・川越高から一般入試で早大へ。大学で「Cチームでも試合に出られないレベル」ともがいた。夢をあきらめず、たどり着いたプロの世界。J2岡山から今季J1のC大阪へ。カテゴリーが上がるとともに「自分の足りなさ」を思い知る。だが「どんな状況でも腐らずにやるのが自分の持ち味」と待ち望んだチャンスで一発回答した。

 DF登録だが中盤、FWもこなすマルチ選手。ケガ人続出のチーム状況で、その存在感を示した。「これからが勝負。しっかり試合に出られるようレベルアップしたい」。大事な一戦を制し、貴重な新戦力も生まれた。【実藤健一】