ヤング仙台奮闘 宮脇17歳弾、工藤真人16歳先発

新潟対仙台 後半、仙台FW宮脇(手前左)はゴールを決める(撮影・滝沢徹郎)

 若手主体のメンバーで臨んだベガルタ仙台が、J2アルビレックス新潟に1-3で敗れた。

 それでも、仙台ユースのMF工藤真人が16歳11カ月でクラブ史上最年少出場を果たすと、後半途中出場のFW宮脇健太(17)もデビュー戦で初ゴール。クラブ史上最年少ゴール、ルヴァン杯でも歴代3位の年少ゴールで食い下がった。17歳以下の5人が公式戦の初ピッチに立ち、プロとして記念の1歩を刻んだ。

 0ー2で迎えた後半32分、途中出場の宮脇が快挙を打ち立てた。「勝負どころでは(運が)ついているので、出場したらやってやろうという気持ちはあった。打てば何かが起こる」。右サイドを駆け上がり、DF1人をかわすと迷いはなかった。右足を振り抜くと、ボールはゴール左隅に吸い込まれ、17歳3カ月でクラブ最年少ゴール記録を塗り替えた。起用してくれた渡辺晋監督(44)の元へ真っ先に駆けつけ、感謝のタッチをかわし、敵地で声援を送った約300人のサポーターを歓喜させた。

 ファーストシュートも、クラブ史上最年少出場を果たした工藤真の右足だった。前半1分、ゴール前の混戦からこぼれたボールをゴール中央20メートル付近で捉えると、迷わずミドルシュート。惜しくも相手GKに阻まれたが、きっちりと枠内に打ち込んだ。

 15連戦の1/3を3勝1分け1敗で乗り切ったチームは、6戦目を21歳以下を10人擁する大胆なターンオーバー制で臨んだ。2種登録のユース選手8人がメンバー入りし、3選手がスタメン出場。新潟のスタメン平均年齢が26・45歳に対し、FW菅原龍之助(17)、DF山下諒時(17)、MF工藤真の3選手がスタメン入りした仙台は、21・91歳と大きく若返りして臨んだ一戦だった。

 山下のオウンゴールで先制を許したが、キャプテンマークを巻いた2年目のMF永戸勝也(23)を中心にユース組を盛り上げた。渡辺監督は「本気でこのメンバーで勝ちに来たが甘くなかった。すべて僕の責任。ユースの選手には感謝したい。のびのびとミスを恐れずに前を向いてやり続けてくれた」と、敗戦の中で躍動した若駒たちをたたえた。後半からは、6季ぶりに復帰したMF関口訓充(32)が1972日ぶりにベガルタのユニホームをまといピッチへ。敗れても収穫は多かった。【下田雄一】

 ◆宮脇健太(みやわき・けんた)2001年(平13)1月4日、北海道・千歳市出身。SSS札幌サッカースクール(桜木小)でサッカーを始める。中学(北斗中)からコンサドレー札幌U-15チームに加入し、現在は宮城の明成高に進学しベガルタ仙台ユースに所属。167センチ、65キロ。

 ▼ルヴァン杯年少ゴール FW宮脇が初ゴール。17歳3カ月14日での得点は、16歳で得点した東京FW久保、東京VのFW森本に次ぐ歴代3位の年少記録。