広島前監督率いる清水に違い見せるか/J1見どころ

4月28日、「平和祈念マッチ」で激しく競りあう長崎と広島の選手たち

 第11節を終え依然、頭1つ抜け出している首位サンフレッチェ広島は、ホームに7位の清水エスパルスを迎え撃つ。4月25日のFC東京戦で今季リーグ戦初黒星を喫したが、同28日のV・ファーレン長崎戦では、リーグ戦4連勝中と好調の相手にアウェーで完勝。エースのパトリックは2戦連続不発だったが、代わりに相性のいいFWティーラシンがゴールを決めた。

 清水を率いるのは、17年にJ2降格の危機にあった広島を、守りを徹底し勝ち点1差でJ1に残留させたヤン・ヨンソン監督だ。2連勝中と好調の上、手の内を知るヨンソン監督だけに広島にとっては油断ならない相手だが、城福浩監督の下で取り組む今のサッカーは、堅守を軸にしつつも、守ってからの攻めも重視しており、広島としては、かつての指揮官に違いを見せたいところだ。

 3連勝で広島と勝ち点6差の2位東京は、アウェーで8位ヴィッセル神戸と対戦する。東京はFW永井謙佑が3戦連発、ディエゴ・オリベイラも2戦連発と絶好調。縦に推進力のある2トップがチームをけん引している。神戸は17年のリーグ戦では1勝1分けと負けなしだが、アウェー戦で見ると1分け1敗とここ2年、勝てていない。長谷川健太監督とともに14年にガンバ大阪で3冠を達成し、今季、同監督の熱望を受けて神戸から完全移籍で加入したMF大森晃太郎のプレーが鍵を握りそうだ。

 14位浦和レッズが、東京と勝ち点1差の3位・川崎フロンターレとアウェーで対戦する1戦は正念場となりそうだ。オズワルド・オリベイラ監督(67)就任後、2連敗の上、4月28日の前節は、湘南ベルマーレに20年9カ月、19試合ぶりに敗れるという歴史的敗戦を喫した。同戦では、後半に湘南を攻め続け“サンドバッグ状態”にしたものの、ゴールは遠かった。苦境の中、リーグ戦3連敗中と苦手の川崎Fと、どう戦うか?

 前節4月28日にホームで鹿島アントラーズとの名門対決に3-0と大勝した13位横浜F・マリノスが、ホームに再び名門の9位ジュビロ磐田を迎え撃つ1戦も見逃せない。横浜はリーグ戦ここ3試合で8得点と、ハイラインで展開する攻撃サッカーが徐々に機能し始めてきた。対戦相手からハイラインの裏を狙われ苦杯をなめ続けてきたが、鹿島戦ではGK飯倉大樹の好守もあり完封勝ち。同21日の湘南戦も4-4で引き分けたものの、FWウーゴ・ヴィエイラの3発など攻撃力は出色だ。リーグ戦で1分け1敗と勝てていない磐田相手に、アンジェ・ポステコグルー監督(52)の元、突き進む攻撃サッカーは爆発するか?