札幌さぁ2位浮上へ 新布陣2パターン試し準備万端

ミニゲームで右シャドーでプレーする札幌FW宮吉(撮影・保坂果那)

 2位浮上をかけた対決へ、万全を期す。北海道コンサドーレ札幌は12日、札幌・宮の沢で練習後、今日13日FC東京戦(味スタ)へ移動した。開幕から全試合右シャドーで先発してきたMF三好康児(21)が累積警告で出場停止。この日のミニゲームでミハイロ・ペトロビッチ監督(60)は、右シャドーにFW宮吉拓実(25)とFW都倉賢(31)を起用する2パターンを試し、勝ち点1差で追う東京攻略の糸口を探った。

 東京戦の前日、札幌のペトロビッチ監督はイメージを膨らませていた。開幕戦から三好に任せてきた3トップの一角に誰を据えるか。「どのゲームも難しいゲームには変わりない。100%の力でぶつからないといけない」の言葉どおり、キーマンの不在を乗り切るプランを熟考しながら、敵地へ移動するバスへ乗り込んだ。

 この日のミニゲーム。最初に宮吉を右シャドーで試した。1トップに前節まで8試合先発の都倉。左シャドーは安定のMFチャナティップだ。サイドチェンジなど左から供給されるクロスに対応し、宮吉はゴールチャンスを作った。その後、ケガから復帰したFWジェイを1トップに据え、都倉を右シャドーに1列下げる布陣でミニゲームを再開した。7試合欠場中のジェイは試合感覚を呼び起こしながら、連係を確認した。

 同監督は11日、悩める胸中を明かしていた。報道陣に「(ジェイは)先発と途中出場、どちらが脅威だと思いますか?」と、逆質問をぶつける場面もあった。高い得点力は魅力だが、実戦から遠ざかっている。スタミナ面も心配だ。「試合までにしっかり考えて準備していきたい」。だからこそ、どの布陣も準備を入念にしておきたかった。全ては、札幌にとってクラブ史上最高タイとなる2位浮上のためだった。

 宮吉にとっては2試合ぶり先発のチャンス。「チームがいい結果が出るように頑張りたい」と、与えられた仕事を全うする覚悟を示した。好調な攻撃陣の中心にいる都倉は「1人1人持ってる力を、自信を持ってピッチで出したい」。連続不敗「11試合」への更新もかかる、最高のモチベーションを武器に、味スタへ乗り込む。【保坂果那】