札幌都倉、一気に2ゴールでバルデス超えるぞ

都倉(右)は荒野としゃべりながらランニングする(撮影・保坂果那)

 ワールドカップ(W杯)中断期間前最後の一戦は、記録を打ち立てて締める。北海道コンサドーレ札幌は今日20日、ヴィッセル神戸戦(ノエスタ)に臨む。FW都倉賢(31)はあと1ゴールで、FWバルデス(97~98年)が持つ札幌在籍中のリーグ戦通算得点記録61点に並ぶ。今季、何度も記録や節目に絡んだ男が、クラブのJ1最高タイ2位浮上の期待を背負い、ゴールを狙う。

 雨が降る札幌・宮の沢での前日練習を終えた都倉は、充実した表情を浮かべて敵地への移動バスに乗り込んだ。W杯中断期間による過密日程を間もなく終える。最後の一戦へ、準備は整った。「15連戦を戦い抜いた成果として、ふさわしい結果を得られるように頑張ります」。古巣との対戦を前に言葉にも力が込められていた。

 札幌在籍5シーズン目。都倉には意識する“ライバル”がいる。97~98年に在籍したバルデスだ。JFL時代の97年リーグ戦で40得点を記録し、札幌での通算は61得点。Jリーグ(JFLを含めない)での最多得点者、FW内村の59得点に第10節横浜戦でのゴールで並んでも「バルデスがいるでしょ」と、闘志を燃やしていた。「あと1点ですか。じゃあ、あと2点取れば、記事にしやすいですね」と、記録更新に意欲を見せる。

 今季はこれまで記録や節目がかかった試合での勝負強さを見せてきた。クラブのJ1通算50勝目の決勝弾、通算150得点目、アウェー100得点目、自身J1通算100試合目で初の3戦連発、J通算100得点目を決めた。

 前節はケガから復帰したFWジェイが1トップに入り、右シャドーで先発した。同位置には出場停止明けの三好もいる。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)は前日19日に「大事なのは誰がスタートで出るかではない。それぞれの選手が自分の役割、仕事をするかだ」と話し、「まだ決めていない。フィーリングで決める」と、悩める胸中を明かしていた。

 ただし、都倉の得点力がチームの勝利に必要不可欠なのは間違いない。当人は「今は誰が出ても活躍している。ピッチに立った選手が胸を張って戦えば」と口にしたが、胸中は違うはずだ。記録もかかる自らのゴールでチームを2位へ押し上げて、美しく前半戦を締めくくる。【保坂果那】