札幌“プラス1”の4人攻撃で「高いレベル」目指す

アジリティートレーニングを行う札幌の選手ら。中央はFW都倉(撮影・保坂果那)

 キーワードは「4人目」だ。北海道コンサドーレ札幌が26日、練習を再開した。20日アウェー、ヴィッセル神戸戦後5日間のオフを経て、札幌・白旗山競技場でトレーニングを行った。ワールドカップロシア大会による約2カ月間のリーグ戦中断期間は、攻撃の連動性アップに主眼を置く。3人のコンビネーションで相手ゴールに迫る現パターンを進化させ、さらに「プラス1」で厚みを持たせる。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)がチームに定着させた攻撃的サッカーを、もう1段階レベルアップさせる。

 約2カ月後のリーグ戦再開に向け、札幌が次のステップへ動きだす。2位東京まで勝ち点2差の5位。上位進出へ向けて、攻撃力を強化する。この日、帰国中で不在だったペトロビッチ監督に代わって練習を仕切った四方田ヘッドコーチは「チームとしての課題に取り組んでいく期間。(攻撃の中で)全員が連動して、より複数が共有していけたら」と指揮官の思いを代弁した。

 ここまで15試合で20得点。得点者が8人もおり、アシストを記録した選手も7人。得点に直結するパスが多く、さまざまな選手が攻撃にかかわっていくことで、リーグ最多181のシュート数を誇っている。ボール保持者、パスの受け手、さらに連動して動く3人目。普段の攻撃練習でも3人1組で行い、2手先までのイメージを共有させてきた。

 だが中断期間に入る前、ペトロビッチ監督は「ようやくトレーニングに割ける時間が増える。4人目がかかわる場面が増えれば」と予告していた。リーグ戦再開までの“ミニキャンプ期間”を利用し、4人が連動する高度な攻撃パターンに着手するつもり。同監督も「4人目というのは高いレベル」と簡単ではないが、5得点の都倉をはじめ、ジェイ、三好、チャナティップらの連動でさらに攻撃力に磨きを掛ける。

 キーマンともなる都倉は「自分たちの強みを伸ばし、弱点を克服する」と、見据える。FWポドルスキに加え、スペイン代表MFイニエスタの加入で神戸は盛り上がるが、個の力ではなく、組織的な動きで白星を積み重ねてきたのが今季の札幌。9月のホーム神戸戦での世界的スーパースターとの対戦に「ユニホーム交換の予約をしたい」と笑う都倉も、「この間負けた(20日アウェーで0-4)ので、借りを返すのにすごくいい舞台が整った」。4人の連動で戦うハイレベルな攻撃で、再開後も快進撃を続けていく。【保坂果那】