ロベルト・カルロス、Fリーグに1日限りの真剣参戦

98年、トヨタ杯でプレーするレアル・マドリードのロベルト・カルロス(1998年12月1日撮影)

 ロベカルがFリーグに参戦する! サッカー元ブラジル代表DFロベルト・カルロス(45)が、デュアリグFリーグ(日本フットサルリーグ)の選抜チーム(23歳以下)の一員として、9月7~9日の共同開催大阪ラウンド(丸善インテックアリーナ大阪)の仙台戦(9日)に出場が決まった。リーグを盛り上げるとともに、20年フットサル・ワールドカップ(W杯)招致へ強力な後押しとなる。

 Fリーグに超大物が参戦する。背番号はレアル・マドリード時代と同じ「3」に決定。招聘(しょうへい)に尽力した小倉純二COO(最高執行責任者)は「練習と試合以外にも、ピッチ外で交流する時間があるはずなので、日本の若手に豊富な経験を伝えてもらいたい」と期待した。

 真剣モードだ。サッカー選手としては12年にアンジ(ロシア)で1度引退、のちにインドで監督兼選手として現役復帰し、15年には再び引退していた。そして今回、一夜限りだが、フットサル選手として現役復帰する。Fリーグに届いた自撮りの映像には「実は僕、フットサルのスペシャリストなのです」と自信をみせた。

 サッカー選手として栄光を手にしてきた。ブラジル代表として02年W杯日韓大会優勝。さらに一世を風靡(ふうび)したRマドリード銀河系軍団では欠かせない存在だった。ジダンやフィーゴ、ラウルらスターぞろいの中でも「悪魔の左足」で存在感を示した。遠い距離でのFKでは、ボールをセットし長い助走をしただけで、場内が沸いた。

 自撮りビデオには西日本豪雨で被災した子供たちへのメッセージも含まれていた。「大雨の被害にあわれた方たちへ、とてもつらい出来事でしたね。僕が行きますから、みなさんと協力し合って楽しく盛り上げましょう」。自分が出場する8日のエキシビションマッチ、9日のリーグ戦に、被災地の子供を100人ずつ招待して交流会も行う予定だ。

 日本の若い選手に勝者のメンタルを伝え、被災地の子供たちに勇気を与える。さらにW杯招致にも一役買う。小倉COOは「成功と判断したら、来季以降も世界的な選手を呼びたい」。Fリーグの挑戦は続く。【盧載鎭】

 ◆ロベルト・カルロス・ダ・シルバ 1973年4月10日、ブラジル・サンパウロのガルサ生まれ。90年、ウニオン・サンジョアンでプロデビュー。パルメイラス、インテルミラノを経て96年、レアル・マドリードに移籍。07年まで在籍し、リーグ戦4度、欧州CL3度優勝など、多くのタイトルを獲得した。その後、フェネルバフチェ、コリンチャンスでプレー。11年からアンジに移籍。同年9月に選手兼コーチを務め、12年に現役引退を表明。その後、トルコのシワススポルと、アクヒサル・ベレディエスポルを監督として指揮。15年にインド・スーパーリーグのデリー・ディナモスFCで選手兼監督として現役復帰を果たした。代表は92年2月の米国戦でデビューし、国際Aマッチ通算125試合11得点。02年W杯日韓大会で優勝を経験。