「梅崎が埼スタ来るなら」初Vへ古巣浦和サポが加勢

9月、ルヴァン杯準々決勝のC大阪戦でゴールを決めガッツポーズする湘南MF梅崎

湘南ベルマーレと横浜F・マリノスがルヴァン杯をかけ、明日27日に埼玉スタジアムで激突する。今季、浦和レッズから加入した湘南FW梅崎司(31)は“故郷”で初優勝をもたらすと誓った。今も浦和サポーターに愛され、当日は湘南の応援に「レッズの加勢」が予想される。古巣サポーターとの思い出が詰まったスタジアムで悲願のカップを掲げる。横浜は17年ぶりの優勝を狙う。

梅崎はルヴァン杯で、チーム最多の4得点を挙げ湘南の決勝初進出の原動力となった。柏レイソルとの準決勝第2戦は120分間でチーム最長の16・038キロを走り、攻撃的で走る「湘南スタイル」を最前線で体現。決勝を前に「チームとして、もう1つ成長する上でも勝たないと意味がない」と見据えた。

埼玉スタジアムは忘れられない思い出がある。浦和在籍時の16年10月15日、ルヴァン杯決勝でガンバ大阪を下し優勝を経験した。当時、左膝前十字靱帯(じんたい)損傷のリハビリ中でピッチで戦うことはできなかった。だが、表彰式でDF槙野に「ちょっと見せて」とカップを触らせてもらったところ、浦和サポーターの後押しで思いがけずカップを掲げる事態になった。その瞬間、スタンドから、梅崎の応援歌の大合唱が巻き起こった。

梅崎 自分はエリートじゃないし、浦和でキャリアを積めたかというとそうでもないと思ってて。浦和のサポーターは簡単には応援してくれない。でも、その瞬間は僕の人生が肯定されたような感覚になったんですね。人生の背景まで見てくれるような…。こんなうれしいことはなかった。

湘南移籍後も浦和サポーターに愛され、SNSなどで「ウメが埼スタに来るなら応援に行かないと」と宣言するファンもいるほどだ。決勝当日は湘南の応援に「浦和の加勢」が予想されている。

移籍初年度でのタイトルのチャンス。若手が多いチームの成長を、試合を重ねるごとに感じ「チームの中心でやってきている意識はあるし(16年のタイトルとは)意味合いは違う」と責任感を口にする。クラブは今春、フィットネスクラブを運営するRIZAP(ライザップ)グループの傘下に入り、転換期を迎えようとしている。梅崎は「クラブが大きなクラブになっていくかどうかの大事なタイミング。だからこそ、カップしかない」。湘南、浦和のサポーターの後押しを受け、自らの手でカップを掲げてみせる。【岩田千代巳】

◆梅崎司(うめさき・つかさ)1987年(昭62)2月23日、長崎県生まれ。大分ユースから05年にトップへ昇格。07年1月にフランス2部(当時)グルノーブルへ移籍。同年7月に大分に復帰。08年に浦和へ加入し、10シーズン在籍。18年に自身の成長を掲げて湘南に加入。今季はリーグ戦24試合2得点、ルヴァン杯10試合4得点。国際Aマッチ1試合出場。169センチ、68キロ、血液型O。