札幌勝ってACLだ ペトロ監督「素晴らしい夜に」

笑顔で練習を見守る札幌ペトロビッチ監督(撮影・保坂果那)

さあ、大一番だ。4位の北海道コンサドーレ札幌は今日1日、今季最終節となる2位サンフレッチェ広島戦(札幌ドーム)に臨む。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を争う直接対決で、勝てば3位以内が確定し、クラブ初のACL出場が決まる。今季就任したミハイロ・ペトロビッチ監督(61)率いるチームは、ホームで勝ち点3を奪い、サポーターとともに歓喜の瞬間を分かち合う。

11月30日、決戦の舞台、札幌ドームでの前日練習に現れたペトロビッチ監督は、いつも通りにクーラーボックスに腰掛けてボール回しする選手をチェックした。セットプレーの確認をして練習を終えると、06年から6シーズン率いた広島との戦いを見据えた。「大切なことは自分たちがやってきたことを信じてベストを尽くすこと」。監督に就任してから11カ月を過ごした選手を信頼してピッチへ送る。

勝てば達成するクラブ初のACL出場の快挙。選手が背負う期待や重圧を理解し、気合が入り過ぎないように、コントロールする。「選手は十分にモチベーションが高い状況。逆にブレーキをかけなきゃいけない。強すぎる思いは逆に空回りしてしまいがち。冷静さを持って頭を使って戦うことを求める」。勝ち点3を、落ち着いて狙う。

指揮官の頭を悩ませるのは主力のコンディションだ。3日連続で練習を休んだMF駒井や、この日別メニューだったFWジェイの体調不良が気がかりだ。相手は今季27節まで首位を走っていた。直近では6連敗中も、「内容を見れば決して連敗するようなチームじゃない。簡単な状況ではない」と、警戒する。

満員の札幌ドームで、サポーターの声援を力に変える。前売りチケットは3万2000枚以上が売れ、今季最多の来場が期待される。「長いシーズンをサポーターとともに戦ってきた。勝利を手にして札幌、北海道にとって素晴らしい夜となると信じている」と、試合後、祝杯に酔いしれる瞬間を思い描く。開幕戦で0-1で敗れた相手とのリベンジマッチ。シーズンを通してチームとして成長した姿を見せつけ、ACL出場権を手にするのは札幌と信じている。【保坂果那】

◆ACL出場権 リーグ戦1位川崎Fは、来年のACLで1次リーグからの出場が確定。2、3位のチームはプレーオフから出場する。天皇杯優勝クラブにも1次リーグからの出場権が与えられ、リーグ戦1~3位と重複した場合、4位クラブがプレーオフからの出場権を得る。現在、天皇杯は4強がそろい、リーグ戦3位鹿島が勝ち残る。鹿島が12月5日準決勝、9日決勝を勝てば、4位クラブもACL出場が実現する。