天国から地獄…神村学園、起死回生弾もPK戦に散る

尚志対神村学園 1-1の末のPK戦で敗れた神村学園は、スタンドに頭を下げる(撮影・浅見桂子)

<全国高校サッカー選手権:尚志1(5PK3)1神村学園>◇31日◇1回戦◇NACK

神村学園(鹿児島)が、天国から地獄を味わい、初戦敗退した。

1点をリードされて迎えた試合終了間際のロスタイム、DF隈元聖也(3年)が、直接FKからゴール左隅に決めて同点。奇跡の同点劇に沸いてPK戦に持ち込んだが、2人目のその隈元が失敗してしまった。1度はチームを救いながら、勝利には届かなかった。

DF隈元は涙を必死にこらえていたが、試合後ロッカーで、有村圭一郎監督(41)のイレブンへの声掛けで涙があふれた。「ピッチでは泣かなかったが、監督の最初の『お疲れさん』のひと言で涙が出た」。しかし隈元自身はプレーには悔いはない。FKについて「自分の得意なところなので、チームを救ってやろうと思っていた」と胸を張った。結果的にGKに止められたPKにも「最初から左に蹴ると決めていた。迷わずに蹴れたので悔いはない」と言い切った。「次のステージでは絶対に結果を残せるようなプレーヤーになりたい」。卒業後は阪南大に進学予定。自信も悔しさも味わった選手権を糧に、隈元は強くなることを誓っていた。【浦田由紀夫】