常盤木学園・加藤栞&沖野ツヨカワコンビ弾でV王手

常盤木学園対十文字 試合後に笑顔を見せる先制点の常盤木学園MF沖野(右)と2点目のFW加藤栞(撮影・野上伸悟)

<全日本高校女子サッカー選手権:常盤木学園2-0十文字>◇7日◇準決勝◇兵庫・神戸ユニバー記念競技場

常盤木学園(東北1位・宮城)が2ー0で十文字(関東2位・東京)を下し、決勝進出を決めた。前半34分、CKにMF西野朱音(2年)が頭で合わせたところをMF沖野るせり(2年)が押し込み先制。後半24分にはなでしこ1部新潟入りが決まっているFW加藤栞(3年)が決め完勝した。13日の決勝で星槎国際湘南(関東3位・神奈川)と対戦。6大会ぶり6度目の優勝とチーム初の全国総体との2冠を目指す。

どうしても欲しかったゴールに、体が自然と反応した。FW安沢莉子(3年)の左CKにMF西野が頭で合わせる。ボールはゴールへ向かっていたが、沖野がダメを押す形でねじ込んだ。初戦の前回覇者・藤枝順心戦は0-0からのPK戦、準々決勝では過去3回優勝の日ノ本学園に先制されながらの逆転と、強豪相手に厳しい試合が続いていた。前々回大会優勝の十文字も、夏の全国総体1回戦で後半ロスタイムに逆転の辛勝で、沖野は「ずっと先制できずに苦しんでいたので、決められてうれしかった」と笑みを浮かべた。

沖野にとって今大会は雪辱の舞台だ。前回大会は1回戦で敗退。1年生でベンチ入りも出場できず、姉くれあ(19=マイナビ仙台)と一緒のピッチに立てなかった。「本当に出たかったんで、本当に悔しかったです」。優勝した全国高校総体も右太もも肉離れで満足にプレーできなかった。3年生中心のメンバーでも、強い気持ちで臨んでいる。姉からはメールで「いつも通りのプレーしかできないんだから、いつも通りのるせりでいいんだよ」と励まされ、力に変えた。

準決勝から試合時間が10分延びて90分となった。なでしこチャレンジリーグで戦っている常盤木学園にとっては慣れたもの。敗れた十文字・柴山桂監督(32)も「普段から大人相手に90分間戦っている常盤木は、力強さはもちろん、90分間にわたって試合をコントロールする力も上でした」と脱帽した。今日8日は始業式で13日の決勝まで日が空くため、1度仙台に戻り、リセットする。沖野は「総体がまぐれだと思われたくない。チャレンジャーの気持ちで選手権も優勝したい」と決戦に向けて闘志を高めた。【野上伸悟】