新潟「これがJ2」キャンプ地高知へ陸路12時間

報道陣にVサインをしてバスに乗り込むDF堀米。後方はDF川口

J2アルビレックス新潟は今日16日から2月16日まで、2月24日の開幕に備えたキャンプを高知・春野総合運動公園で行う。15日、選手、スタッフ41人がバス2台で新潟を出発し、約12時間をかけて高知入りした。J2降格2シーズン目。09年から行っている高知キャンプでは、初の陸路での移動になった。

チームは午前8時30分、大型バス2台に分乗してデンカビッグスワンスタジアムを出発した。新潟中央ICから高速道路に入り、北陸道を南下。中国道、山陽道などを経由しながら淡路島を縦断して四国に。徳島道、高知道などを通って宿舎に到着したのは午後8時過ぎ。片道約900キロ、約12時間の大移動だった。

昨季主将を務めたMF小川佳純(34)は「12時間のバス移動は個人的には初めて。ネックピローと自宅で使っているクッションを用意しました」と笑う。MF戸嶋祥郎(23)は「休憩の時にサービスエリアでストレッチをします」と言ってバスに乗り込んだ。

もちろん、ネガティブになっているわけではない。「みんなと一緒にいる時間が長いのでコミュニケーションを取る場にできる」。小川は車内での会話を重視した。片渕浩一郎監督(43)は「外部との接触が少ない。カゼやインフルエンザの予防にはいい」と健康管理面をプラスに捉えた。

09年からの高知キャンプ。昨年までは新潟空港から空路で高知入りしていた。陸路へ変更になった理由の1つは経費削減。今季は昨季支給されていた降格救済金がなくなり、全体収入も減。昨季より約5億円の予算減を見込む。クラブ内で削減、節約が進む中、現場も例外ではない。

片渕監督は「これが現実。自分たちはJ2なんだということ」と受け止め、選手にも促した。小川は言う。「待遇が変わったのはやはり悔しい。いるべき場所に戻らなければ」。当たり前だった空路移動も今は勝ち取らなければならないもの。実感した環境の変化は、キャンプ、そして今季にかける意欲を高めた。【斎藤慎一郎】

◆他競技の長距離バス移動 バスケットボール男子B1新潟、女子Wリーグ新潟は、シーズン中のアウェー戦はバス移動が中心。B1新潟は昨季の島根戦、約750キロ、12時間をかけてバスで移動した。なでしこリーグの新潟レディースは関東、東北地方のアウェー戦はバスで移動するが、それより遠方は新幹線、空路を利用する。10年に高知キャンプを行った時は新潟からバスで移動した。