札幌四方田HC、初の3年連続J1「前年より上を」

インタビューに答える札幌四方田ヘッドコーチ(撮影・保坂果那)

Jリーグが今週末に開幕する。北海道コンサドーレ札幌の四方田修平ヘッドコーチ(45)がインタビューに応じた。

15年途中から監督として指揮を執り、16年J2優勝、17年J1残留に貢献。昨年から現職となり、ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)とチームづくりに尽力する。キャンプでの取り組みやチームの仕上がり具合、今季の戦い方などを聞いた。【取材・構成=保坂果那】

-タイ、沖縄、熊本でのキャンプを振り返って

四方田ヘッドコーチ(以下HC) ミシャさん(ペトロビッチ監督)になって2年目。去年の積み上げが残っている。去年みたいに何もない状態でスタートしたというよりは、みんながある程度「どういうキャンプになるのか」とか「どういうチームにしていこうか」というのが頭にある状態でキャンプに入っているので、アドバンテージがあったかな。

-新加入選手はフィットできたか

四方田HC 最初はやっぱり、ピッチ内外で慣れない部分もあった。日に日にキャンプごとに打ち解けて、サッカーも理解していき、十分公式戦に入っていけるレベルまで来ている選手もいる。去年よりもレベルアップした状態で開幕を迎えられると思っている。

-チームの平均年齢が下がり、ぐっと若返った

四方田HC 全体的に若い年齢層に加速していったなかで、比較的おとなしいというか、しゃべらない選手が多い。最初はちょっと雰囲気が静かだったけど、(小野)伸二と菅野が中心になって引っ張ってくれているし、徐々に慣れてきて全体的にも明るくコミュニケーションがとれている。いい形でシーズンに入っていけるんじゃないかな。

-今季の戦い方

四方田HC 基本は変えずに、よりミシャさんがやりたいことの中身を上げていく。去年よりミシャさんの理想に近づいて、サッカー的にも質を上げていければいい。

-クラブ初のJ1連続3年目

四方田HC 去年は劇的に飛躍したと思うけど、当然、前年よりも上を狙っていかなければいけない。ただ、地に足をつけてやらないと。J1って怖いリーグなので力の差はそんなにない。足もとをさらわれないように気を引き締めて臨んだ中で、最後に少しでも(昨年を)上回っていけたら。

-ライバルをどう分析

四方田HC 去年対戦した中では鹿島アントラーズと川崎フロンターレは少し抜けてるなって感覚はあるけど、あとの差は大小あっても比較的拮抗(きっこう)しているなという印象。ただ、今年始まってみないと。どのチームも補強していますし(監督就任)2年目のチームは去年の積み上げがある中で去年以上のチームになる。新しい監督が加わったチームは、劇的な変化がプラスに働くこともある。そこも含めて序盤戦、自分たちが勝ち点を1つ1つ積み重ねていけたら。

-開幕を、どう迎える

四方田HC ワクワクですね。ここ3年、開幕戦は勝てていないので何とか結果を出したい。去年の順位で過信しないようにとか、抜け目なくしっかり細かい部分に気をつけていきたいって思う。コーチという立場で。

-監督業とコーチ業

四方田HC 監督とコーチで役割は分担するものじゃない。あくまで一コーチとして、監督がやろうとすることを選手に浸透させたりする。監督が選べるのは(先発)11人だったり(ベンチ入り)18人。当然そこには感情的な悔しさとか、複雑なところが出てくる。そういうものをコーチとして選手と向き合いながら、シーズンを通してチームが1つになって戦い抜いていければ。

-HCとして2年目

四方田HC 去年は自分も確認しながらコーチをしていた。そういう意味では、手探りの状態。公式戦を戦いながら確認していくことで理解した部分も。さまざまな相手と試合してきたので、いろんな状況で自分たちが戦ってきた経験は大きかった。今年はミシャさんが何をやりたいのか、少なからず分かる。そこは新しく来た選手に還元したいし、2年目の選手には去年を上回るところを求めていきたい。

◆四方田修平(よもだ・しゅうへい)1973年(昭48)3月14日、千葉市生まれ。習志野高、順大から筑波大大学院。99年に札幌のアシスタントコーチに就任し、02年から札幌U-18コーチ、04年から同監督。15年7月からトップチームの監督に就任し、16年J2優勝を果たし5年ぶりJ1昇格に導き、17年11位で16年ぶりJ1残留を決めた。18年からヘッドコーチに就任。