復調した仙台ハモン・ロペスが開幕戦で左足弾決める

シュートを放つ仙台FWハモン・ロペス(撮影・下田雄一)

<みちのくプラス!!>

5年連続の開幕戦勝利を懸けて、ホームで難敵を迎え撃つ。2019年のJリーグが22日に開幕する。ベガルタ仙台は23日、ユアテックスタジアム仙台に昨年12月の天皇杯決勝を戦った浦和レッズを迎える。チームスローガンに「ReVolution」を掲げて戦う今季は、より高みを求めて踏み出す「変革」元年。主力の流出により戦力ダウンが懸念されていたが、仙台流の地道な補強により、10人の新戦力を融合させて玄人好みのチームに仕上がった。目標のトップ5入りへ、担当記者が今季を占った。

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今季最大の「補強」はFWハモン・ロペス(29)の復調と言い切ってもいい。昨夏、2年ぶりの電撃復帰を果たしたが、実戦から2カ月遠のいたブランクもあり、本調子を発揮できずにいた。だが、今年は別人だ。沖縄キャンプからけがなく順調にコンディションを上げ、左足シュートの破壊力は全盛期をほうふつさせる。10ゴール5アシストと爆発した16年シーズン以上の仕上がりを見せる。

ハモン・ロペスと右シャドーで定位置争いをするのが、横浜F・マリノスから加入したMF吉尾海夏(20)だ。身長167センチと小柄なレフティーだが、練習試合で結果を出し続けるなど潜在能力を開花させつつある。FKの精度も高く、新天地で待望のプロ初ゴールを刻む日も遠くはなさそうだ。

FW長沢駿(30)の加入で1トップ争いも激化する。身長192センチの高さと足もとの技術の高さを兼ね備えたターゲットマンは、連係面の高まりに手応え。沖縄キャンプの同部屋で、最終ラインにコンバートされたDF永戸勝也(24)からのボール供給量も増えそうだ。昨夏以降、3ゴール2アシストと急成長したFWジャーメイン良(23)も結果を残しており、横一線の状態が続いている。

昨季主力で活躍した奥埜博亮(29=セレッソ大阪)野津田岳人(24=サンフレッチェ広島)中野嘉大(25=北海道コンサドーレ札幌)のMFトリオ、DF板倉滉(22=フローニンゲン)が移籍。戦力ダウンが不安視されたが、杞憂(きゆう)に終わりそうだ。猛アピールを続けてきた左ウイングバック候補のMF石原崇兆(26)がキャンプをけがなく乗り切り、中野に匹敵する好パフォーマンスを発揮する。札幌から加入したMF兵藤慎剛(33)もベテランらしく開幕に合わせてきた。MF梁勇基(37)MF富田晋伍(32)とともに、ボランチの2枠を争う。

キャンプ終盤にMF飯尾竜太朗(28)とMF椎橋慧也(21)が足首を痛め、別メニューでの調整となっているが、大きな故障者を出すことなくキャンプを乗り切れたことは大きい。他チームで出場機会に恵まれなかった能力値の高い選手や、試合経験を積み上げたい強豪クラブの若手を組み入れ、変革元年の戦力は整った。基本布陣は3-4-2-1だが、攻守で相手の変化に対応できる可変型を志向していく。天皇杯決勝で辛酸をなめた浦和を、満員が見込まれるユアスタで雪辱する。【下田雄一】