「点が入らない感覚」札幌18年ぶり開幕白星ならず

湘南対札幌 サポーターにあいさつする札幌イレブン(撮影・中島郁夫)

<明治安田生命J1:湘南2-0札幌>◇第1節◇23日◇BMWス

18年ぶりのJ1開幕白星スタートはならなかった。北海道コンサドーレ札幌は今季開幕戦で湘南に0-2で敗れた。後半37、45分と連続で失点。相手10本に対し9本のシュートを放ったが決めきれず、スコアレスに終わった。J2時代を含めて4年連続の0封負け発進。就任2年目のミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は決定力不足を反省し、次節・古巣浦和とのアウェー戦(3月2日)は修正して臨む。

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ペトロビッチ監督は敗戦が決まると、すぐにピッチに背中を向け、ベンチへ引き揚げた。湘南から奪えなかった勝利を、自身の中ですでに受け止めている様子だった。相手ゴールネットを揺らせなかった試合を「相手を押し込む時間帯もあったが、チャンスを作るけど得点に至らないシーンが多かった。点が入らないような感覚があったのも確か」と振り返った。

前半はボールを保持し、ペースは札幌だった。開始2分、MF菅からの左クロスにFWジェイが頭で合わせるが、枠を捉えられない。36分に相手守備をかわしてゴール前に迫った菅の決定機も、42分に新加入のMFロペスが放ったミドルシュートも、決まらない。スコアレスで折り返すと、後半に相手の得意な攻撃パターンが活性する。カウンターを食らい、FW武富に2ゴールを奪われて屈した。

これで4年連続開幕戦で無得点。好調なスタートが切れないのは、札幌ならではの事情もある。毎年、長いキャンプを経て迎える初戦は、疲労や家族に会えないストレスが蓄積している。そんな選手を思い、ペトロビッチ監督は工夫していた。オフ前日など、門限は選手から提案された時間よりさらに遅い時間を許可したり、開幕直前の17、18日に2連休を与えるなど、練習に集中させるため、リフレッシュも重視した。「疲れがあるなかで、選手たちは非常によくやってくれている」と話していたが、今年も札幌にとっての鬼門を破れなかった。

まだ悲観する必要はない。J2時代の16年、初戦黒星もリーグ制覇を果たしJ1昇格、昨季も開幕から3試合未勝利も、終わってみれば4位に躍進した。指揮官も「リーグ戦の初戦を終えただけ」と、敗戦を引きずらない。「ゴールの割合を上げていかないといけない。次の試合の準備をしていかないといけない」と前を向いた。建て直しを図り、今季初勝利は次節に挙げてみせる。【保坂果那】