元仙台菅井氏が震災時振り返る「サポこそ希望の光」

冷たい雨に打たれながら黙とうする、左から仙台DF大岩主将、菅井氏、平瀬氏、渡辺監督(撮影・下田雄一)

仙台市勾当台公園市民広場で行われた追悼式典にはベガルタ仙台の渡辺晋監督(45)、DF大岩一貴主将(27)らが出席し、犠牲者に献花を手向け、黙とうした。

昨季限りで現役を引退し、現在はチームのフロントに入った菅井直樹氏(34)も参加。昨年まで、被災地の希望の光として突っ走った日々を振り返り、今後への思いを口にした。

菅井氏 現役時代に被災して複雑な思いもしましたが、チームのみんなで何とか地域の再生に役立てればと取り組んできた。サッカーができない状況が続いた後、Jリーグが再開して、いろいろな感情を持ったサポーターがスタジアムに足を運んでくれた。「おれたちが希望の光になるんだ」という気持ちで戦いましたが、僕にとって、あのような状況でも応援に駆けつけてくれたサポーターこそ希望の光でした。

東日本大震災発災から8年の節目で、現役生活にピリオドを打った。今後も地域連携課スタッフという立場で被災地と向き合っていく。

菅井氏 今は地域連携課のスタッフという立場で、こういう日を迎えるに当たって、あらためて地域の復興への取り組みの意義を考えさせられています。復興が進んでいると言われていますが、元の姿に戻っていないところもある。南三陸町、歌津町など沿岸部を訪れましたがまだまだと感じた。選手たちにはプレーで何かを伝えてもらいたいが、僕は自分なりにできること探して貢献したい。

現役時よりも、さらに強い気持ちで、復興に向き合う構えだ。