札幌ジェイ「なぜカウンター?」日本代表の進化期待

別メニューで調整する札幌FWジェイ(撮影・西塚祐司)

北海道コンサドーレ札幌FWジェイ(36)が毎月末に語るコラム企画「ジェイのマンスリー・リアルトーク」。19年第2弾の今回は日本代表について語りました。18年ワールドカップ・ロシア大会で28年ぶりに4強に進出した母国イングランドを例に、サムライブルーの進化に期待しました。

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今回の日本代表の試合を見て思ったことを話すよ。22日のコロンビア戦。日本代表はなぜカウンターサッカーをプレーしているのか、分からなかった。札幌や川崎フロンターレのようなポゼッションサッカーで、攻撃的にやるべきだと思ったね。サポーターはもっと興奮するものを見たがっているんだ。

なぜそう感じたかって? Jリーグに来てから今年で5年目になるが、いろんな選手を見てきた。素晴らしいテクニックを持つ選手がたくさんいるのに、守備的なサッカーをするのはもったいない。フィジカルが足りないと言われるかもしれないが、スペインはそこまで大きい体格でなくても強い。小柄な選手でもサッカー能力が高くて技術がある選手がいれば勝つことができる。その考え方を持てばもっとうまくいくんだ。

イングランド代表の話をするよ。昔から強いはずだったが、うまくいかない時期もあったんだ。守備的でロングボールを多用した戦術ばかり。ベッカム、ジェラード、ランパードらスター選手がそろった黄金世代も大きな結果を残せなかったよね。ホーム戦ではサポーターから「もっと攻めろ」とブーイングがあったしメディアも批判的だった。クラブと代表のスタイルが全然違うし、練習期間も短くてプレースタイルに慣れない問題があったんだ。

だが最近は違う。ガレス・サウスゲート監督が就任してから代表のサッカーは変わった。プレミアリーグ各クラブの戦術なども考慮して選手を選ぶようになった。ポゼッションサッカーや攻撃的なプレーをできる選手を育てて強くなったんだ。メンバーも経験ある選手と若手のバランスがすごく良いんだ。

日本代表も変化したイングランド代表のように、そして今の札幌のように攻撃的になるべきだし、100%できると思う。上手な選手が集まっているからどんなサッカーでもできるし、それぞれクラブでポゼッションサッカーをやっている選手が多いからすぐ慣れる。若い選手も連れていった方が良い。三好康児(横浜)久保建英(東京)らはテクニックがある。札幌では進藤亮佑が選ばれるように応援したい。もちろん代表監督も若手に注目していると思う。成長のためにたくさん起用してほしいね。

Jリーグで目立っている選手が代表に選ばれないのはおかしいと思う。サッカーの世界は何でも突然変わることがある。例えば昨季の開幕前、札幌が4位に行けると誰もが想像できなかった。だからJリーグの選手が代表戦に出て活躍する可能性も十分にあるんだ。

監督によってスタイルがあり選手も慣れる時間が必要だ。日本も昨夏に監督が代わったばかり。安定してきたら絶対、攻めるサッカーができると思う。中国、韓国などアジアのチームは弱くないが、それ以上に日本は強いチームだと感じている。だから選手は自信を持って、もっと前へ前へプレーしてほしいね。(札幌FW)