新潟吉永新監督がチーム合流し始動「妥協せずやる」

練習に目を配る吉永監督(左から2人目)

J2新潟はオフが明けた16日、アウェー東京V戦(20日・味の素スタジアム)に向けた練習を行った。14日に解任された片渕浩一郎前監督(43)の後を継ぎ、同日就任した吉永一明新監督(51)がこの日からチームに合流した。新潟は現在3勝3分3敗の勝ち点12で10位。東京V戦は新指揮官の初陣勝利と3試合ぶりの勝ち点3獲得を目指す。

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新潟再始動のこの日の練習は、冒頭のウオーミングアップを公開した後は非公開。「ポゼッションとゲームをやった」と、吉永監督は自らが仕切った初練習の内容の一端を明かした。「チームの外から見て思っていたことに、ピッチで同じ目線に立って気づいたことを伝えた」と選手個々にプレーの要求をした。初練習から5日後に初陣の東京V戦が控えている。「こうしてもらいたい、と提示した」と、実戦につながるリクエストを出した。

監督としての始動日。「今朝、ここ(クラブハウス)にくるまでは緊張していたが、スタッフと話してそれもなくなった」と言う。練習前のミーティングでは「今までやってきたことを否定することはしたくない。その上で見ていて感じた改善点もある」。片渕前監督が作ってきたものに修正を加えながら進める意思を選手に話した。

17、18年とシンガポールプレミアリーグ・新潟Sを率いて国内全冠制覇。清水、鳥栖、甲府でコーチを務めるなどの指導経験を積み、新潟で初めてJクラブの監督に就任。「勝つために必要なことは、妥協せずにやる」と決意をみせた吉永監督は、「(選手は)もっとできるし、もっとやらせてあげたいという思いが強くなった」と使命感ものぞかせた。【斎藤慎一郎】

○…チーム最年長のGK野沢洋輔(39)は17、18年は新潟Sの吉永監督の下で国内の頂点を味わった。片渕前監督とは02年に新潟でともにプレーした。「(吉永監督は)こわもてだけど、選手の意見を取り入れてくれる」と新監督の人柄を話し、同時に「片渕魂がなくなったわけではない」と言った。ミーティングでは、片渕監督が「俺が決めたことを納得できなくても、理解はしてくれ」と口にしていたことを挙げ、「もやもやしている選手は、そうだと思ってほしい」と話し、動揺を抑えた。自身はここまでまだ出場機会がない。「自分もあらためてアピールする」と話した。