清水チケット完売の一戦で完封負け スタンドため息

清水対浦和 後半ロスタイム、途中出場の清水FW滝(手前から2人目)の左足のシュートはクロスバーを直撃しゴールならず(撮影・松本俊)

<明治安田生命J1:清水0-2浦和>◇第9節◇28日◇アイスタ

平成最後のリーグ戦で、清水エスパルスは0-2で浦和レッズに敗れ、3試合ぶりの黒星を喫した。堅守の相手を崩せず、無得点に終わった。ルヴァン杯を含めた公式戦で、今季初の完封負けとなった。

スタンドの歓声がため息に変わった。1点を追う後半ロスタイム、ゴール前の混戦からFW滝裕太(19)が左足で狙うも、シュートはクロスバーに直撃。最大のチャンスを逃すと、カウンターから痛恨の2失点目を喫した。滝は「あそこで決められなければ、勝っていけない」。今季初めてチケットが完売した平成最後の一戦は、悔しさだけが残った。

頼みの攻撃陣が鳴りをひそめた。前半はリスクを冒さず、カウンターを狙った。相手のミスからチャンスをつくるも、連係不足でボールを失う場面が目立った。同22分にはMF六平光成(28)がエリア内で倒されたが、ノーファウル。ヤン・ヨンソン監督(58)は「今日はPKを禁じられた日ではないと思うが、なぜ取ってくれなかったのか疑問に残る」と苦言を呈した。

ただ、判定の問題だけではない。シュート数は今季最少タイの5本。積極性を欠き、リーグ戦開幕から続いていた連続得点は、8試合で止まった。守備も課題のセットプレーから失点。DF立田悠悟(20)は「流れの中からやられなかっただけに、もったいなかった」とうつむいた。次節はアウェー鹿島アントラーズ戦。敗戦を引きずっている暇はない。【神谷亮磨】