新潟5試合ぶり勝利、渡辺凌磨がホーム3戦連続弾

試合後、下部組織の子どもたちとともにバンザイをする新潟のメンバー(撮影・斎藤慎一郎)

<明治安田生命J2:新潟2-0山口>◇第12節◇4日◇デンカS

アルビレックス新潟が5試合ぶりの白星を挙げた。レノファ山口FCを2-0で破った。勝ち点17とし、暫定順位は11位から8位に上昇。前半16分にFWレオナルド(21)のゴールで先制すると、同45分にMF渡辺凌磨(22)が自身のホーム3試合連続ゴールになる2点目を挙げて試合をものにした。

吉永一明監督(51)にとっては就任3試合目で自身のJ初勝利。4戦連続引き分けから殻を破った。

   ◇   ◇   ◇

ピッチサイドに走りだしたMF渡辺凌は、DF戸嶋祥郎(23)とMFシルビーニョ(28)に抱きつかれた。硬かった表情が一気に緩む。その後はチームメートの歓喜の輪が待っていた。

「点を取れればどんな形でもいい」。前半45分、MF加藤大(27)からパスを受け、中央から抜け出す。放ったシュートはスライディングしてきた相手DFに当たった。ループ気味の軌道になり、ゴールマウスに吸い込まれた。「きれいなシュートではなかったけど、あの時間帯で取れたことで、チームを勢いづけられたと思う」。レオナルドの先制点後、前半終了間際の追加点。3試合連続のホーム戦ゴールが、新潟の5試合ぶりの勝ち点3を引き寄せた。

今季初スタメンだった第7節FC町田ゼルビア戦で初得点し、続くホーム戦の第9節モンテディオ山形戦でもゴール。そして山口戦。この日の観衆はホーム開幕戦・第3節柏レイソル戦の2万486人に次ぐ、2万121人。渡辺凌はサポーターを喜ばせ続けている。町田戦から6試合連続スタメン。昨季のリーグ戦出場5試合を早くも上回った。「練習ではクリアできないことが、試合ではできる。試合に出ることでたくさんのことを吸収できている」。実戦の場で感覚が研ぎ澄まされてきた。

前日3日の練習後、渡辺凌、レオナルド、シルビーニョ、MF高木善朗(26)の前線の4人がそろって吉永監督から攻撃の流れをスムーズにするようにアドバイスを受けた。結果、前線2人の得点で勝利。渡辺凌は「試合ごとにいいコミュニケーションができている」と積み重ねの成果を実感した。同時に「チームとしても、まだ得点できた」。喜びをすぐに次戦への闘志に変えていた。【斎藤慎一郎】