G大阪宮本監督が鬼采配!主将三浦外し久保建英封じ

前半、ベンチ前から拍手を送るG大阪宮本監督(撮影・加藤哉)

<明治安田生命J1:G大阪0-0東京>◇第10節◇4日◇パナスタ

ツネ様の“鬼采配”でガンバ大阪が首位東京から勝ち点1を奪った。

宮本恒靖監督(42)は本拠東京戦で、主将のDF三浦弦太(24)を今季初めて先発から外す決断。前節までリーグワーストタイ19失点の守備の立て直しを図り、17歳のMF久保建英らFC東京の強力攻撃陣封じに成功した。ホームで開幕6戦未勝利となり、依然15位に低迷するが、逆襲の1歩にしたい。

今季無敗を誇る首位チームをホームで迎え撃つ一戦を前に、宮本監督は動いた。主将のDF三浦を今季初めて先発から外す。前日練習で話し合い、決めたという。

「(三浦)弦太とは昨日、ここ数試合のパフォーマンスがよくないという話をした。本人も上げていかないといけないという自覚があって、ベンチ(スタート)にした」

前節までリーグワーストタイの19失点。4月28日ベガルタ仙台戦は三浦のミスもあって、逆転負けを喫していた。責任感が強いだけに、メンタル面を考慮した可能性もある。ただ、チームへの刺激も含めてかの問いに「名前でサッカーはできない。チームが勝つためのメンバー構成」と言った。

ただ「刺激」は全体に伝わった。2季前までG大阪を率いた東京長谷川監督が「ガンバの試合はずっと見ているが、別のチームと対戦しているようだった」と言ったほど、気迫をむき出しに戦った。

高い位置でつぶしにいき、東京が得意のカウンターを封じ、注目の久保には「自由」を与えなかった。キャプテンマークを巻いたMF倉田は「久々に球際で戦えたし、気持ちを出せた。よかったと思う」と満足感を口にした。

ただ、ホームではまたも勝てなかった。前日までに入場券が完売になるなど今季2番目の3万3905人を動員。多くの後押しを受けたが、12本のシュートは空砲に終わった。開幕からホーム6戦勝ちなしは、クラブワーストをさらに更新。それでも指揮官は「守備面で体を投げ出すなど、足りなかったところを再確認してトレーニングした成果が出た」と評価した。

MF遠藤も「ホームに限らずアウェーでも根気強く勝ち点を積み上げていけば、いい流れになる。(勝ち点)3を取れたゲームだったが前向きに捉えたい」。宮本監督の決断が、逆襲につながる勝ち点1をもたらした。【実藤健一】

◆G大阪の開幕からのホーム未勝利 今季ホームで6戦勝ちなし(2分け4敗)となった。これまでは03、10年の5戦目がクラブとして最も遅い白星だったが、今季は開幕ホーム5戦目となった4月20日大分戦でワーストを記録し、この日の6戦目でも更新した。