山形が令和初勝利 2位浮上、1000得点も王手

山形対岡山 前半21分、チーム令和1号を決め、MFポドルフォ(右)と跳び上がって喜ぶ山形MF中村(撮影・鎌田直秀)

<明治安田生命J2:山形1-0岡山>◇第12節◇5日◇NDソフトスタジアム山形

モンテディオ山形が「令和」に好発進した。前半21分にMF中村駿(25)が右CKからのこぼれ球を右足で蹴りこみ、チームの令和1号弾。非公開で練習を繰り返してきたセットプレーが結実し、1-0でファジアーノ岡山を退けた。今季7度目の完封で勝ち点を24に伸ばし、J1自動昇格圏の2位に浮上。99年にJリーグ入り後、粘り強く戦い続けてきた歴史の象徴となるような1勝で、新時代への期待も高まった。

ロスタイム4分を経過した午後5時55分15秒。主審の笛と同時に、山形が令和初勝利をつかんだ。後半は相手陣に攻め入ることすら苦しみ、シュートはわずか1本。今季7失点の全員守備と、貴重な令和チーム初得点で攻守に貢献したMF中村は「チームとしても新たな歴史を刻むことが出来たし、自分も歴史に名を刻むことが出来た。令和1号っていうことで、ちょっとは思い出してもらえるかな」。笑顔があふれ、サポーターと喜びを分かちあった。

ファン、報道陣をシャットアウトしてでも熟成してきたセットプレーが、新元号初戦で実を結んだ。高校以来となるプロ初のCKキッカーを務めたFW坂元達裕(22)が、左足アウトサイドでシュート回転をかけてグラウンダーパス。通常とは逆回転のクロスで相手DF陣を戸惑わせた。

ぽっかり空いたニアサイドに走り込んだDF熊本雄太(23)がスルーすると、後ろから走り込むDF栗山直樹(28)が右足シュート。1度は相手GKに阻まれたが、こぼれ球を中村が右足で押し込んだ。「練習ではうまくいってなかったんですけれど、最初のCKは、これでいこうと決めていました。うまく自分のところに転がってきてくれて良かった」。トリックプレーには、まだまだ引き出しを持っている。

99年にJリーグに加入した3月14日の開幕戦。仙台戦で途中出場したFW真下佐登史がゴールしてから平成で山形は961得点を積み上げてきた。962得点目は貴重な決勝弾。ルヴァン杯(旧ナビスコ杯)を含めると、1000得点に王手をかけた。

首位水戸に勝ち点2差を死守した。次節は12日のホーム千葉戦で3連勝に挑む。15年以来のJ1復帰に向け「団結力は一番ある」と中村は胸を張った。令和最初のJ1昇格もつかみとってみせる。【鎌田直秀】