札幌6戦ぶり黒星「東京の経験値が勝った」指揮官

東京対札幌 前半、札幌MFルーカス・フェルナンデスは相手の突破を食い止められる(撮影・井上学)

<明治安田生命J1:東京2-0札幌>◇第12節◇18日◇味スタ

“クボタケ”を封じられなかった。北海道コンサドーレ札幌はリーグ戦首位を走るFC東京に0-2で敗れ、6試合ぶりの黒星を喫した。前半を0-0で折り返したが、後半14分に先制されると、同24分に17歳のMF久保建英に2戦連発となるゴールを許し逆転できなかった。これで2試合連続無得点と決定力不足が響き、順位も7位に後退した。

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札幌も開幕から無傷の首位東京の堅守を崩せなかった。前半、攻められながらもGKクの好セーブに助けられ、0-0で折り返して踏ん張った。後半は持ち味のサイドチェンジを効かせながらゴールに迫る回数を増やし、前半2本だったシュート数を8本に増やしたが、得点には結びつかなかった。ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は「東京の経験値が勝ったゲームだった」と負けを認めるしかなかった。

注目の17歳の勢いを止められなかった。トドメの1発を食らったのは、先制を許した後の後半24分だった。前節で今季初ゴールを決めている久保にボールが送られた。ペナルティーエリア内に進入を許し、DF福森が右足を出して防ごうとしたが、相手利き足の左で振り抜かれたシュートは、ゴールに吸い込まれた。「たった1歩でも寄せが甘かった」と悔やむ。ボールには触っていたクもわずかなコースを突かれ「いいシュートだった」とたたえるしかなかった。

気勢をあげて乗り込んだ。東京戦に向けて指揮官は選手へ自信を求め、「我々も5試合負けなしで来ているじゃないか」と鼓舞した。札幌での練習時にはウインドブレーカーを着込んで暑さ対策にも着手。今季無敗の東京に対し、気後れせずに臨んだ。右太もも裏痛で前節松本戦を欠場したMFチャナティップが札幌からの移動日に復帰し決戦に間に合わせたが、直前まで布陣が流動的で万全の準備とはいかなかった。

序盤は拮抗(きっこう)した試合展開を見せただけに、決定力不足が惜しまれる。後半に3本のシュートを放ったFW鈴木は「0点だったのはふがいない。攻撃陣として責任がある。同点にできるチャンスはあった」と反省を忘れない。ゴール前での質さえ向上できれば、次節ホームG大阪戦から再び勝ち点を積み重ねていけるはずだ。【保坂果那】