仙台長沢全3点絡む活躍 監督も前線でのプレス評価

仙台対名古屋 前半6分、先制のゴールを決めた仙台FW吉尾(右)はFW長沢と抱き合って喜ぶ

<明治安田生命J1:仙台3-1名古屋>◇第14節◇1日◇ユアスタ

ベガルタ仙台が今季初のホーム4連勝を飾り、1週間で最下位を脱した。FW長沢駿(30)が決勝弾含む2発と先制点もアシスト。全3得点に絡む活躍で4位名古屋グランパス撃破に貢献した。前節(5月25日)の清水戦で4失点と守備が崩壊し、センターバックコンビなど5人を入れ替える「大手術」で臨んだ一戦を見事勝利。今季ホームでの公式戦は6勝2分け2敗とし、リーグ順位は16位に浮上。勝ち点13で仙台を含む下位5チームが並んだ。

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FW長沢が全3得点をもたらした。前半6分、ポストプレーからMF吉尾の先制ゴールにつなげて幸先よくスタート。同27分に追いつかれ、劣勢のまま前半を終えたが後半、再び長沢が輝きを放った。

待望の勝ち越し弾は後半29分。直前にGKシュミットが相手ミドルをファインセーブした流れから攻撃がスタート。パスが何本もつながり、MF道渕がゴール前にラストパスを送ろうとするが、相手にブロックされた。そのボールがMF松下に渡り、迷いなく低い弾道のシュートを放つと相手GKがはじき、長沢がこぼれ球に反応。「こぼれてくるだろう。こぼしてほしい」という長沢の願いが通じ、右足で流し込んだ。悔しさを晴らす一撃だった。前節で一時同点となるゴールを決めたが、足がつり途中交代。「バテてふがいなく終わった。次は90分走りたい」と名古屋戦に闘志を燃やし、結果を残した。

同37分のダメ押し弾は、プレスをかけることを怠らず、相手GKのパスをカットし、左足で蹴り込んだ。長沢は「ああいうプレーを見せれば、後ろがついてきてくれると思い、気持ちで流し込めた。サポーターの後押しで取れた」と振り返った。「うまくいかない場面もあったが、勝利に貢献できて良かった。一喜一憂せず続けたい」と、次戦のアウェー松本戦(15日)へ気を引き締めた。

J1でのホーム4連勝はチーム2位タイ。10年にマークした5連勝のクラブ記録に王手だ。試合後、渡辺監督は「ポストプレー、守備への献身性、速いボールを受けるアクションなど多彩で、相手DFを惑わせた。ストライカーは点を取るだけが仕事ではないのを子どもたちにも見習ってほしい」と長沢を評価した。そして「ホーム4連勝はサポーターのエネルギーとパワーを背に受けて戦うことができたのが要因」と、熱い応援に感謝した。次戦は2週間空くが、ホームでいい形で勝利し、巻き返しへの手応えをつかんだ。白星を重ね、過去の悔しさを力に変える。【山田愛斗】