酒井高徳、古巣に奮起期待「いずれ新潟でプレー」

新潟のクラブハウスを訪れ、リラックスした様子の酒井(中央)

新潟県三条市出身で元アルビレックス新潟のDF酒井高徳(28=ドイツ2部・ハンブルガーSV)が5日、J2新潟のクラブハウスを訪れた。第17節FC岐阜戦(8日、岐阜・岐阜メモリアルセンター長良川競技場)に向けた練習開始前、新潟の選手に激励の言葉を送った。新潟は4連敗中で16位と苦戦が続く。OBとして古巣の奮起を期待した。来季以降の所属先が注目される中、将来は新潟でのプレーを希望していることを明らかにした。

古巣への思いを酒井は言葉にした。新潟の練習に顔を出したこの日、新潟復帰について「自分が必要とされていたり、しかるべきタイミングで戻れるのなら」と、即時の復帰はやんわりと否定しながらも、「お金ではない。いずれ絶対に新潟に戻ってプレーしたい」と明言した。

ドイツのシーズンを終え、先月20日から日本に滞在。新潟と東京を往復しながら自主トレに励み、16日にドイツに戻る。ハンブルガーSVとの契約は1年残っているが、1年での1部復帰を果たせなかったこともあり、移籍が取りざたされている。2年近い単身赴任を終えたい意識もあるため、獲得に興味を示すJクラブもうわさされる。ただ、「年齢的にも選手でいられる期間は限られている」と、まずは欧州でのプレーを軸に今後を考えている。

この日は帰国後初めて新潟のクラブハウスを訪れた。チームが練習をする前に軽くランニング。その後、GK野沢洋輔(39)、FW矢野貴章(35)、MFチョ・ヨンチョル(30)、MF加藤大(28)ら09年から11年までの新潟在籍時のチームメートたちと再会を喜んだ。チーム練習前に吉永一明監督(51)に紹介され、あいさつをした。「チーム一丸になって上位に行けるように応援しています」と素直にエールを送った。

2度のワールドカップ(W杯)を経験した元日本代表で、ドイツ・ブンデスリーガではここまで1、2部通算199試合に出場。県出身のレジェンドは、新潟のことをいつも気にかけている。「失点に対してナイーブにならないように。よりアグレッシブに流れに立ち向かわないと」。4連敗中、合計10失点の守備に触れたのも、ダイジェスト映像を毎試合チェックしているから。「すべてが一丸となってやってもらいたい。そういう新潟を応援したい」。J1昇格を期待し、ファンの1人として古巣を見守る。【斎藤慎一郎】

◆酒井高徳(さかい・ごうとく)1991年(平3)3月14日生まれ、三条市出身。開志学園では新潟ユース(現U-18)に所属。年代別の日本代表に選出される。09年にトップチームに昇格した。10年のアジア杯予選で初の日本代表入りを果たし、同年の南アフリカW杯はサポートメンバーとして帯同した。11年12月にドイツ・シュツットガルトに移籍。12年はロンドン・オリンピック(五輪)に出場するU-23日本代表入り。14年ブラジル、18年ロシアのW杯に出場する日本代表に選出された。15年からハンブルガーSVに所属。176センチ、75キロ。