札幌鈴木PK先制もドロー 川崎F戦初白星はお預け

川崎F対札幌 試合を終え、サポーターの声援に応える札幌MF鈴木(撮影・横山健太)

<明治安田生命J1:川崎F1-1札幌>◇第15節◇14日◇等々力

北海道コンサドーレ札幌は川崎フロンターレに1-1で引き分けた。前半39分、MF鈴木武蔵(25)がPKを決めて先制したが、後半24分に同点弾を許した。チャンスは少なくシュート3本に対して19本の猛攻を浴びるも、GKク・ソンユン(24)のビッグセーブの連続で最少失点でしのぎ、勝ち点1を死守した。対戦成績はリーグ戦通算5分け16敗(J1は2分け7敗)となり、現J1クラブで唯一未勝利の相手からの初勝利は次回へ持ち越された。

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札幌イレブンの健闘の証しが等々力に響いた。試合後、サポーターからは拍手が送られた。1点リードで折り返すも、後半は2年連続リーグ覇者の猛攻に襲われ、防戦一方の展開だった。勝ち点を分け合った川崎Fは、昨季は大敗を喫し、現J1クラブで唯一未勝利。ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)も「去年0-7で負けたけれど、結果を見れば1-1。ほんの少しチームとして前進できたと思う」とドローを受け入れた。

守護神の表情は浮かなかった。クは悔しそうに「勝てる試合だった」とぽつりと言った。前半27分に与えたPKを、飛びつき止めた。韓国代表活動でオフなしで再来日してまだ3日目。疲労が残り、状態が上向かないなかも「アドレナリンが出た」。後半ピンチの連続も好セーブでチームを救い続ける。1点リードで迎えた後半24分だけ、悔しさが残った。途中出場のFW小林のシュートは「変な回転がかかっていた」。触るも、止めきれず。それでも背番号25の奮闘は間違いなく光っていた。

攻撃陣が万全ではないなかでの試合だった。指揮官が「前線の選手がケガから戻ってきたばかり。90分は難しいと予想していた」と嘆いたように、開幕戦以来の先発のジェイは約2カ月の離脱から復帰して状態を上げている途中、鈴木もチャナティップも負傷から復帰したばかり。FW菅や岩崎は代表活動で不在で今節MFルーカスは出場停止、主将のMF宮沢も負傷中。戦力が整わないなかで、力を尽くした。だからこそ、次回対戦での初勝利の可能性を感じさせた。

カップ戦含め、連戦がスタートした。総力戦が求められる。鈴木は「1つでも多くの勝ち点を積み上げられるように」と、戦い抜く覚悟を示した。【保坂果那】