札幌が5試合ぶり黒星も光明あり!完全復活のロペス

仙台対札幌 前半、札幌MFロペス(右端)が同点ゴールを決める。仙台GKシュミット・ダニエル(撮影・丹羽敏通)

コンサドーレ札幌は仙台に1-2で敗れ、5試合ぶりの黒星を喫した。0-1の前半34分、MFアンデルソン・ロペス(25)が一時は同点とするゴール。

左膝の靱帯(じんたい)を損傷した4月28日磐田戦以来リーグ戦8試合ぶりの今季8号で完全復活を証明し、得点ランキングで首位と1点差の2位タイに浮上した。チームはシーズン前半戦を終え、8勝3分け6敗の勝ち点27、6位で折り返しとなった。

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リーグ戦ホーム5連勝中の仙台本拠地は、戦いづらかった。前半9分、左CKから先制を許し、札幌は追う展開。雨が降りやまない悪条件のピッチで、ボールを動かし、相手ゴールへと迫る。追いついたのは34分だ。MFルーカスの右クロスをMF鈴木が頭で折り返し、ロペスが胸トラップから左足で冷静にゴールを決めた。

後半も、追いかける展開となった。19分にボールロストから勝ち越しゴールを奪われ、その後は幾度も好機をつくったが、ゴールは遠く、勝ち点は逃げた。ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は「追いつくチャンスはあったが、決められなかった。だが決して悪いゲームではなかった」と振り返った。

敗戦にも光明となったのは、チーム得点王がゴールという結果で示した完全復活だ。ケガをした磐田戦以来8試合ぶりリーグ戦先発で、リーグ得点ランキング2位タイの8点目をマーク。「勝利と(ゴールを)交換できれば」と悔しさをにじませたが、「いい状態で最後までできた」と、90分間戦い抜けたコンディションには手応えを感じた様子だ。

愛する存在が、パワーの源だ。5月は左膝の治療のため、ブラジルに一時帰国。再来日後のリハビリは順調に進み、日本に呼び寄せた家族との札幌での生活もスタートし、公私で充実していた。最近のホーム戦では、元気いっぱいに会場を走り回る長男ペドロ君(4)の姿がある。「得点した試合後は『お父さんがゴールを決めた』と理解して喜んでいる」。息子に勇姿を見せるのが、モチベーションとなっている。

シーズン前半戦を終えた。勝ち点27は、クラブ史上J1最高の4位でフィニッシュした昨季と同じ。ロペスは「優勝、ACL(3位以内)を目指していきたい」と改めて目標を掲げた。クラブ初の3年連続J1を戦う今季、その可能性を十分に漂わせ、勝負の後半戦を迎える。【保坂果那】