磐田社長「暫定じゃない」鈴木秀人新監督の選考理由

鈴木秀人氏(2015年10月18日撮影)

ジュビロ磐田は1日、6月30日に辞任を発表した名波浩前監督(46)の後任として、鈴木秀人ヘッドコーチ(HC=44)の監督就任を発表した。

名波氏は同日のホーム川崎F戦で敗れた後、記者会見で辞任を明らかにしていた。この日、取材に応じた小野勝社長(61)は「正直、(外部から)売り込みもあったし、いろんな候補者が挙がった中で、ヒデというのが結論」と経緯を説明。その上で「今後のジュビロをつくってくれる。暫定監督のつもりは、さらさらない」と強調した。

2009年(平21)まで磐田一筋でプレーした鈴木氏は、下部組織のU-18(18歳以下)監督などを経て、14年にトップチームのコーチに就任。15年からはHCを務めた。主力DFとしてクラブの黄金期を支え、日本代表入りも果たした現役時代の経験を生かし、主に守備陣を指導。選手とのパイプ役としても、名波体制を支えてきた。

同社長は「サッカーに対する考え方がしっかりしている。チームに欠けているものをどうしていきたいというプランも持っている。今までのものを肥やしに、次のステップに導いてくれると信じている」と期待し、チーム再建を託した。

3日に本拠地ヤマハで行われるホンダロックSC(JFL)との天皇杯2回戦で、初陣を迎える。前半戦を終え、最下位に沈むリーグ初戦は、6日のアウェー鹿島戦。この日チームは新指揮官の指導の下、磐田市内で完全非公開調整に励んだ。巻き返しを目指す磐田が、新体制で再出発した。【前田和哉】

 

◆鈴木秀人(すずき・ひでと)1974年(昭49)10月7日、浜松市生まれ。浜松商高から、テスト期間を経て93年に磐田入団。95年からレギュラーを獲得し、クラブの黄金期を築いた。96年アトランタ五輪出場。日本代表は97年W杯アジア1次予選で1試合出場。Jリーグ通算328試合9得点。