新潟チョが古巣戦へ、カズの前で恩返しゴール狙う

リラックスした様子でウオーミングアップをするMFチョ(左)

J2アルビレックス新潟は10日、第22節横浜FC戦(13日・デンカビッグスワンスタジアム)に向けた練習を聖籠町のクラブハウス練習場で行った。

ウオーミングアップを公開し、その後の実戦形式などは非公開だった。MFチョ・ヨンチョル(30)が今季初得点を狙う。横浜FCはプロ入りした07年から2季所属した古巣。FW三浦知良(52)は尊敬する選手だ。新潟にとって今季初の3連勝がかかる一戦、自身にとっても大切な試合と位置付けて臨む。

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チョが”恩返しゴール”を狙っている。「横浜FCは心に残っているチーム」。09年に新潟に移籍するまで、プロで最初にプレーしたチームだ。前節大宮も新潟の後に在籍した古巣だった。古巣の連戦に「調子は上がっている」と自信をみせる。

何より「カズさんとピッチで会えれば」と願う。チョは天皇杯金沢戦(3日)、リーグ戦前節大宮戦(6日)と途中出場。金沢戦ではシュートを放っている。開幕当初はキャンプ中の負傷をひきずり、出場機会を逃していたが、ここに来て本来の積極的な攻撃が見られるようになってきた。一方の三浦はリーグ戦13試合ベンチ登録から外れていて、ピッチ上での再会は微妙だが、「日本に来る前から知っている。横浜FCにいるときも参考にしていた」と尊敬の念は変わらない。

横浜FC入団前、練習参加したチョに「うちに来いよ」と三浦の方から声をかけてくれた。練習での集中力、ピッチ外での体のケアなど三浦の姿からプロ意識を学んだ。横浜FCを離れて12年。初めての対戦には来日当時の三浦への感謝も自然と込められる。

もちろん、新潟の戦力としての期待も大きい。吉永一明監督(51)は「状態は良くなっている。ただ、もっとできる。10年前のようになってほしい」。新潟在籍時の10年、スピーディーな突破を武器に自己最多の11得点を記録。その再現を求めた。チョも分かっている。「突破する場面をもっとつくらないと」。そしてその先のゴールを見据えた。【斎藤慎一郎】