「ウジウジ君」小林悠が脱皮、大久保から哲学継承

東京対川崎F 100ゴールを両手でつくる川崎F・FW小林(撮影・横山健太)

<明治安田生命J1:東京0-3川崎F>◇第19節◇14日◇味スタ

川崎フロンターレのFW小林悠(31)がアウェーでのFC東京戦で、史上14人目のJ1通算100得点を成し遂げた。大卒選手の大台達成は中山雅史、藤田俊哉に次いで3人目。エースのメモリアル弾もあり、川崎Fは首位東京に3-0で快勝し、直接対決で勝ち点差を4に詰めた。

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川崎FのFW小林がJ1通算100得点を達成した。負ければ3連覇の目標が遠のく首位東京との大一番。決めたのはやはりエースだった。前半20分、左CKからキッカーMF下田のクロスにゴール中央で待ちかまえ、頭でドンピシャリと合わせネットを揺らした。多摩川クラシコでの貴重な先制点が、メモリアル弾となった。

川崎F一筋10年目。FWジュニーニョ、大久保とチームの歴代エースの隣で「ストライカー学」を習得してきた。「シュート打つときは1人。サポーターの期待、プレッシャー、すべてをはねのけて点を取る。2人が点を取るとチームが勢いづくのを見て、自分もそうなりたいと思った」。試合中に決定機を外しても気持ちを切り替える早さは先輩の姿から学んだものだ。MF中村も「最初は自分で抱え込むタイプで“ウジウジ君”系。それがカラッとした。出会いは大事だなと」とエースの心の成長に目を細める。

「自分が勝ってチームを勝たせる」。新人時代からの目標を実行に移し、これで小林が得点した試合は66勝15分け6敗。後半10分にMF斎藤、同24分にMF阿部のゴールで加点し14戦不敗で、首位東京との勝ち点差を4にした。

【岩田千代巳】