清水3戦ぶり白星 守備てこ入れ奏功し横浜を完封

後半、ゴールを決めた清水MF西沢(中央)は同僚から祝福を受ける(撮影・河田真司)

<明治安田生命J1:横浜0-1清水>◇第21節◇3日◇日産ス

清水エスパルスが横浜F・マリノスを1-0で下し、3試合ぶりの白星を挙げた。後半5分、MF西沢健太(22)が今季3点目のゴール。守備陣も90分間無失点で、攻守がかみ合った。

清水がリーグ再開戦で変化を見せた。序盤から堅固な守備を構築。リーグトップの得点数を誇る横浜の攻撃陣に粘り強く対応した。中断期間には守備を修正。篠田善之監督(48)は「正しいポジショニングから守ることを意識させた」。42失点とリーグワーストだった守備の再建を目指し、てこ入れも敢行した。

チームはJ2福岡からDF吉本一謙(31)を獲得。篠田監督が東京を指揮していた当時の教え子を迎え入れた。この日はセンターバックとしてスタメン出場。前半27分には中央を崩されるも、吉本が間一髪でクリアし、ピンチを救った。「熱い気持ちを見せて戦いたい」。チーム合流からわずか4日での先発抜てきにも、体を張って貢献。期待の新戦力が存在感を示した。

後半は攻撃のギアを一気に上げた。同3分にカウンターからFWドウグラス(31)がポスト直撃のシュート。得意の速攻でリズムを作ると、均衡を破った。同5分、背後に抜け出したMF西沢が右足で先制点。6月の対戦時でプロ初得点を挙げた相性のいい相手から「取って勝ちたい」と、宣言通りの一発で勝負を決めた。

チームの顔でもあったFW北川航也(23)が先月31日にオーストリア1部ラピード・ウィーンへ完全移籍。戦力ダウンも不安視されたが、先制シーンは代わりにトップ下に入ったMF河井陽介(29)の絶妙なスルーパスからだった。エースが抜けた穴を既存選手で埋め、守備も13試合ぶりの無失点。新戦力も融合した清水がたくましく生まれ変わった。【神谷亮磨】