自ら手掛けた引退試合 元札幌DF河合竜二氏に聞く

自身の引退記念グッズを手にする札幌河合CRC(撮影・保坂果那)

昨季限りで現役を引退した北海道コンサドーレ札幌元DFで現コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン(C・R・C)を務める河合竜二氏(41)の引退試合が10日、浦和戦(札幌ドーム)の前座で開催される。クラウドファンディングによる資金集めから、何から何まで「Jクラブ史上初」というセルフプロデュースで行うラストゲームへの思い、今年2月に就任したクラブのフロント職について聞いた。【聞き手=保坂果那】

 

-引退試合を自身で企画した

河合CRC 準備でめちゃくちゃ忙しかった。グッズを作ったり、選手のセレクト、参加可否のメールを送って、参加者の飛行機やホテルの手配、精算も。スポンサーさんへのあいさつ、クラウドファンディング企画。後は体作りも。

-クラウドファンディングは目標200万円を1日で達成し、1413万4500円が集まった。

河合CRC ありがたいです。200万円って設定は、足りなかったけど、高すぎても嫌だったので。少しでも賄えればと思っていたけど、余剰が出るので、アカデミーにも使ったり、札幌所属全選手サイン入りユニホームプレゼント(5万円)にこんなに(84人)集まると思わなかったので、協力してもらう選手に何か還元できれば。選手会長(MF荒野)と相談しています。

-参加者が豪華

河合CRC みんな有名選手ばかり。(コーチの)岡田さんは忙しい人なので直前まで参加できるかわからないって感じだったけど、「竜二の引退試合だから行きたい」と言ってくれて、予定に入れてもらった。(コーチの)水沼さんも最初は仕事で厳しいって返事だったけど「まだ大丈夫? 最後、送り届けたいから、仕事をずらして行くよ」と言ってくれた。楽しみですね。選手みんなが集まって練習はできないから、どうなるか全然わからない。(起用は)岡田さんにお任せです。あとはみんなセンスあるので、大丈夫じゃないですか。

-引退試合の成功例となる

河合CRC 一例としてはできた。ほかのクラブもまねするかも。そういう風にもしたかった。引退試合出来ない選手も、一つの例として、こういうのもあるよって形でやりたいなと思った。引退試合ってまわりの方にとっても大事なんじゃないかな。自分自身は楽しみしかないけど、終わっちゃったら寂しくなるかも。でもサッカーはこれで終わりじゃないので。

-体作りは

河合CRC 順調に。週2くらいで出勤前に朝サッカーをやっています。6時から1時間ちょっと。会社の人も来てくれて。楽しいです。1日が気持ち良く始まるので。引退してから、ほぼ何もやっていなかった。最初は体が重いなって感じたけど、キレは戻ってきた。1人で負荷を掛けられるトレーニングとして、トレイルランもしている。藻岩山とか走って登って。昔、冬にトレーニングの一環としてやっていたのを思い出して。最近は現役の時より走る量が増えたかもしれない。今まで20分くらいだったのが、1時間くらいランニング。5月にはハーフマラソン大会にも出ましたし。10キロからがきつくて心が折れそうになりますね。10月も札幌マラソンに出る予定。体を動かさないと、いてもたってもいられない性格なので、引退試合が終わっても、動かします。

-2月からクラブのフロント入り。CRCとしての仕事について

河合CRC いろいろなことにチャレンジさせてもらっている。営業もするし、サッカー教室で指導したり、ホームタウン活動、ラジオやテレビ出演。解説なども。

-試合後、会場の撤去作業までする姿も見る

河合CRC あれは進んでやっている。だって良いところ取りだったら、(会社の)若い子が見た時、どう思うかなって思うし、認めてもらうには、そういうところが必要かなと思う。基本だなと思って。

-選手時代とは生活も変わった

河合CRC 変わりましたね。出勤は9時から5時半。ゴールデンウイークとかお盆休みをもらえるんだとびっくりした。選手よりは休みが多いかな。でも1日の拘束時間は長いかもしれない。選手だと自分の体のことにだけ目を向けられるから、ルーティンが作れるけど、今は毎日違う業務があって、それが難しい。楽しく勉強させてもらっている。

-今後のビジョン

河合CRC 今後やりたいのは、全道をまわること。サッカーで子どもたちをつなげたい。復興に関しても何かしたいです。北海道胆振東部地震からもうすぐ1年なので。何でも今までやったことないから、やろうよって感じ。全部トライ、全部チャレンジしようと思っている。