東京橋本、首に違和感抱えるも献身性で完封勝利貢献

東京対仙台 前半、中盤でボールをキープする東京MF橋本(右)(撮影・丹羽敏通)

<明治安田生命J1:東京1-0仙台>◇第22節◇10日◇味スタ

J1で首位を走るFC東京は10日、第22節でホームにベガルタ仙台を迎え、1-0で勝利した。日本代表MF橋本拳人(25)は首に違和感を抱えながらも、痛みを押して先発出場。堅守を支えるボランチとして持ち味のボール奪取力を発揮。長谷川体制で1分け6敗と相性の悪かった仙台を相手に完封勝利に貢献した。クラブ初のリーグ制覇、9月の日本代表活動でのメンバー入りを目指し、身を粉にして走り続ける。

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首位東京がホームで仙台に1-0で勝ち、勝ち点を48に伸ばした。日本代表MF橋本拳人(25)が首に違和感を抱えながら、痛みを押してフル出場。開始直後から厳しい寄せでボールを奪うと、的確な位置取りで反撃のリスクを回避。数字に残らない献身で、長谷川体制で1分け6敗と相性の悪かった仙台を完封した。

試合前日、都内の病院に急行していた。練習での激しい激突で、ほとんど頭を動かせないほどの痛みが首を襲っていた。頸椎付近に、緩和のための注射を2本、試合直前にさらに2本。それでも万全には遠かった。「試合で貢献できなかったら、毎日こんなに暑い中で練習している意味がない」。その一心でピッチへ。後半35分には激しい接触プレーを制してチャンスにつなげた直後、しゃがみこんで右手を首に当てた。

3月に初めて日本代表に選ばれてから2度の活動を経験したことで、より自身に厳しくなった。MF柴崎からは「周囲の目線が変わる。いいプレーをしても、それが普通だと見られる」と、日の丸を背負う重圧を聞いた。力を発揮して当たり前。不調を抱えた時こそ地力が問われると、常に自分に言い聞かせている。状況把握のため、常に首を振るボランチ。痛みは「気合です」とアドレナリンで軽減させた。

チームはFWディエゴ・オリベイラのPKで勝ちきった。9月には、キリンチャレンジ杯パラグアイ戦、22年W杯アジア2次予選と代表活動がある。自身の立ち位置をまだまだ当落線上と捉える25歳は「まずは東京で勝ち続けること」。タフに戦う先に、悲願のリーグ初制覇と日本代表へ続く道がある。【岡崎悠利】