仙台渡辺監督「半歩前進」王者から貴重な勝ち点1

仙台対川崎F 後半、同点のゴールを決め叫ぶ仙台FW長沢(中央)らイレブン

<明治安田生命J1:仙台2-2川崎F>◇第23節◇17日◇ユアスタ

ベガルタ仙台は苦手の川崎フロンターレから6年ぶりの白星をつかみ損ねた。それでも勝ち点1を積み上げ、暫定13位に浮上した。先制されFW長沢駿(30)の2発で試合を一時ひっくり返したが、リーグ連覇中の王者に追いつかれた。

前半開始早々から出ばなをくじかれた。MF関口が空中戦での接触プレーで途中交代し、DF金がピッチに立った。前半は押し込まれながらも最少失点で切り抜けた。そしてユアスタが沸いた。後半9分、DF平岡のロングパスに反応した長沢が、DFを背負いながら右足で同点弾。6月の名古屋戦以来2カ月半ぶりのゴールに、「点を取らなくてはと思っていた。いいボールがきて、体をぶつけていいところに持っていけた。イメージ通り」。

1点目から10分後、金がドリブルで運び、スルーパスに抜けだした長沢が再び冷静に流し込み逆転。「(金が)見てくれてると思った。2点目は今までなかった形。これから狙いたい」。しかし、王者の底力で試合を振り出しに戻された。

5月のアウェー戦では1-3で敗れ、雪辱を狙った一戦。渡辺監督は「勝ち点3を取りたかったが、強豪川崎から1を奪えて半歩前進。前向きにチャレンジした選手に感謝したい」。後半の猛攻で王者から貴重な勝ち点1を獲得。仙台の反撃が始まる。【山田愛斗】