新潟トンネル抜けるドロー、首位柏の12連勝阻止

柏対新潟 前半、ゴールを決め、喜ぶ新潟FWレオナルド(撮影・大野祥一)

<明治安田生命J2:柏1-1新潟>◇第30節◇31日◇三協F柏

アルビレックス新潟は首位を走る柏レイソルとドローゲームを演じ、相手の12連勝を阻止した。

スコアは1-1だった。前半13分、MFシルビーニョ(29)の右クロスをFWレオナルド(22)がシュートを決めて先制したが、後半18分に途中出場のFWサヴィオ(22)に同点シュートを許した。今季ワーストタイの4連敗を回避し、勝ち点1を獲得。課題だった守備網は、何度も波状攻撃にさらされながらも最少1失点に抑えた。

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連敗の長いトンネルからちょっぴり、抜け出した。首位を独走する相手から勝ち点1を奪った。リーグ最少失点(1試合平均0・66失点)を誇る相手の守備網を切り裂き、ゴールネットも揺すった。前半13分。MFシルビーニョのグラウンダーの右クロスにFWレオナルドが反応。ゴール中央で右足を振り抜き、先制点を決めた。守備陣はボールを保持され、鋭いカウンターを何度も受けながらも我慢した。追いつかれてのドローだったが、次につながる価値ある引き分けを演じた。

柏戦に向けて練習再開した27日だ。3連敗して、3戦の総失点8という状況を憂慮したボランチのMFカウエ(30)が主導して、守備的選手の話し合いの場を設けた。GK、DF、ボランチの選手たちがそれぞれの立場から意見、注文を出し合った。左サイドバックのDF堀米悠斗(24)は「どうにか失点を減らそうと、アクションを起こした」と言う。そんな効果は今週の練習全体に波及した。吉永一明監督(51)は「練習中や、その合間に選手同士が話し合っている」と密になった意思疎通を明かしていた。

シーズン開幕から新潟は、4バックのDFラインを敷いてきた。しかし、最終ライン4人の顔触れは、目まぐるしく替わった。故障、移籍などの要因もあるが、柏戦を含めた直近の4試合はすべて選手の並びが違う。この日は左から堀米、大武峻(26)、舞行龍(30)。新井直人(22)。吉永監督は「今回はある程度の準備はできた」と守備陣には手応えを得ていた。そんな指揮官の思いに応えた。1点を許したものの、シュートに守備陣は身を投げ出すなど、体を張った。次節は7日のホーム千葉戦。新潟は首位とのドローから9月に攻勢をかける。【涌井幹雄】