清水西沢 前日の予告通りのコースにゴール決めた

前半25分、右足で同点ゴールを決める清水MF西沢(左)

<明治安田生命J1:清水3-2名古屋>◇第26節◇13日◇アイスタ

清水エスパルスがMF西沢健太(23)の2得点で勝ち点3をもぎ取った。

ホームで名古屋に3-2で辛勝。西沢は1点を追う前半25分に右足ミドルで同点弾を決め、1点リードで迎えた後半14分には左足で追加点を奪い、プロ初の複数得点を達成した。チームも4試合ぶりの白星を挙げ、順位は暫定9位に浮上した。

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重苦しい雰囲気を一掃したのは西沢だった。前半14分、サイドを崩されて先制点を献上。ホームでまたしてもリードを許した。それでも、西沢は目の覚める一発で空気を変えた。同25分、左サイドでボールを受け、中央にドリブル突破。ゴールへのイメージはできていた。「切り込んで、逆サイドのサイドネットに突き刺したい」。試合前日に“予告”していたコースと同じだった。

迷わず右足を振り上げると、鋭く曲がったシュートはゴール右隅へ。起死回生の同点ゴールを挙げた。6月の前回対戦でも後半ロスタイムに決勝点。「個人的にはいいイメージがある。また決めたい」と宣言していた。

下部組織出身の23歳はまだプロ1年目。それでも、篠田善之監督(48)は「ルーキーとか関係ない。チームを盛り上げてほしい」と信頼を置いている。監督交代後、指揮官は西沢をスタメンに抜てき。期待の成長株はさらに輝いた。

2-1で迎えた後半14分、左サイドでボールを受けると、コンパクトに左足を振った。DFに当たってコースが変わったボールは右サイドネットに吸い込まれ、チーム3点目をゲット。「結果にこだわっている。チームを引っ張っていきたい」。負ければ下位に転落する可能性があった一戦で、プロ初の1試合2得点。新人離れしたプレーだった。

チームは4試合ぶりの勝利。課題の守備は2失点したが、勝ちきったことが大きい。順位も暫定ながら9位に浮上した。【神谷亮磨】