大分が劇的勝利、浦和武藤が負傷退場/浦-大29節

浦和対大分 後半終了間際、大分FW後藤(右端)が頭で合わせて決勝ゴールを決める。浦和GK西川(撮影・丹羽敏通)

<明治安田生命J1:浦和0-1大分>◇第29節◇18日◇埼玉

敵地に乗り込んだ8位の大分トリニータが、終了間際の劇的弾で10位の浦和レッズを下した。

0-0で迎えた後半ロスタイム3分、大分が相手シュートをはね返す。そこからカウンターを発動。6人がしっかりつないで左サイドからDF三竿がクロス。大奥のFW後藤に届き、頭で押し込んで最後の最後に均衡を破った。

前半は穏やかな展開。後半9分、浦和にアクシデントが起きた。FW武藤が左サイドで右肩を負傷。大分DF岩田を背にボールキープしようとしたところ、倒されないように右手を芝について対応した際に痛めた。脱臼とみられ、プレー続行不可。11分にFWファブリシオと交代し、激しい痛みで表情をゆがめながらピッチを後にした。5日後に迫ったACL準決勝の第2戦、アウェー広州恒大(中国)戦に向けて不運に見舞われた。

対する大分は、チームトップの10得点を挙げているFWオナイウが出場できない契約(浦和から期限付き移籍中)。その中で前半13分にMF松本が左ポスト直撃シュートを放ったが、得点ならず。後半33分には3試合連続ゴール中のFW三平を投入。3分後、その三平が持ち上がって中央から右足シュート。わずかにゴール左へ外れたが、惜しいシュートでどよめかせた。

その後、浦和が2度のチャンスを迎えたが、ものにできない。45分、相手CKをはね返してカウンターを発動。ファブリシオが抜け出して右足シュートを放ったが、抜群の読みと飛び出しを見せたGK高木に阻まれた。さらに同じ45分、MFエヴェルトンが右足ミドルで枠をとらえたが、高木の右手1本セーブに阻まれた。

これで終わるかに見えたが、土壇場で大分が決勝ゴール。勝ち点3を持ち帰る結果に、片野坂監督は「最後まで諦めずに選手がやってくれた。粘り強く戦ってくれたことを褒めたい。そして最後のロスタイムに、ご褒美がもらえました。うちは残留を目標にしてますし、ACLも戦っている浦和さんとは目標が違う。その浦和さんにダブル(ホーム、アウェーともに勝利)ができたことは本当に良かった。残り5試合。これにおごらず、天皇杯もありますが、こういう励みになるようなゲームをできるようにしていきたい」と納得した。