仙台が敵地で2発快勝11位浮上、平岡が値千金弾

名古屋対仙台 前半7分、ヘディングで先制ゴールを決めた仙台DF平岡(右)(撮影・山田愛斗)

<明治安田生命J1:名古屋2-0仙台>◇第29節◇19日◇パロ瑞穂

ベガルタ仙台がアウェーで名古屋グランパスを2-0で破り、11位にジャンプアップした。前半7分、DF平岡康裕(33)がCKから頭で値千金の先制ゴール。仙台加入後のリーグ戦では初となる5年ぶり弾で勢いをもたらした。

後半40分にはFWハモン・ロペス(30)がPKを確実に決めて突き放した。守備ではGKスウォビィクが好セーブを連発。全員が体を張り、9戦ぶりの完封で勝ち点3を飾った。

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ベテラン平岡が1840日ぶりのゴールで勝利に導いた。立ち上がりから仙台が積極的に仕掛けた。FW長沢の放ったシュートが相手にブロックされ、左CKを獲得。前半7分、DF永戸がピンポイントのボールを送り、フリーになっていた平岡がヘディングで豪快にたたき込んだ。「久々のゴールでチームを助けられた。いいボールがきて枠に飛ばそうと。スカウティング通りだったので、コーチ陣に感謝したい。ベガルタでやっと入りました」と決勝弾を喜んだ。

CKの守備で、相手マンツーマンの人数が足りないというコーチ陣の分析があった。DFシマオ・マテ、長沢らが中で抑え込み、マークを外した平岡が飛び込む計算通りの攻撃。アシストした永戸は「キックに自信を持って蹴れた。平くん(平岡)をフリーにして、他の選手が中で(相手を)抑えるというチームとしての狙いがあった」と振り返る。

前節5日のホーム松本戦で、降格圏に沈む相手に痛恨の敗戦を喫したが、今節は6月の名古屋戦からコンビを組む平岡、マテの2人が9試合ぶり完封に貢献した。「負けを取り返すために後ろはゼロに抑えて、サポーターに対して結果で応えないといけなかった。1人1人がピッチで体をぶつけて体現できていた。今日の勝ちに満足せず、結果を求めて(5試合)やっていきたい」と背番号13は気を引き締める。

渡辺監督は「ホームで順位が近い相手に痛い敗戦があって、反骨心を示したい試合だった。決して浮かれることなく5試合進んでいきたい」と総括した。次節は2週間空いて、11月2日に勝ち点で並ぶ10位神戸とアウェーで対戦。前半戦は名古屋に勝ち、そこから4連勝につなげた。今回の勝利を分岐点に、仙台が逆襲を始める。【山田愛斗】