札幌第一16年ぶりV王手 全国大会一番乗り決めるぞ

後半13分、ゴールを決める札幌第一・清水(撮影・佐藤翔太)

<全国高校サッカー北海道大会:札幌第一3-1東海大札幌>◇準決勝◇19日◇札幌厚別公園競技場

総体道予選王者の札幌第一が、同校初の2冠に王手をかけた。3-1で東海大札幌を下し、決勝進出を決めた。16年ぶりの優勝まであと1勝とし、前半34分に先制ゴールを決めたFW近江勇哉(3年)は「やっとここまで来ることができた。とてもうれしい」と笑顔だった。

序盤は勢いある相手に押し込まれた。耐えて、反撃に出た近江の得点は、ゴール前の混戦からこぼれた浮き球を、胸トラップから右足でねじ込んだ1発。「相手のGKがちょっと触ってたかも。何とか入って良かった」。前半ロスタイムにはFW岩井一真(2年)がミドルシュートで加点。優位に試合を進め、後半も逃げ切った。

今夏の総体は初戦で矢板中央(栃木)に0-2と敗れた。主力の3年は受験で3人抜けたが、近江は「何もできなくて心残り。もう1度全国で戦いたい」と続けた。「世界のさまざまな人と関わりたい」という理由から、志望校は難関の神戸外大。練習から帰宅後は、眠い目をこすりながら深夜12時近くまで机に向かってきた。

前回優勝の03年以来となる20日の決勝は、総体道予選決勝と同じ北海が相手。前回は0-0からPK戦での辛勝だっただけに、慢心はない。北海の松本広大主将(3年)はSSS時代のチームメートで「戦うのは楽しみだし負けたくない」。ライバルを再び倒し、全国大会一番乗りを決める。【西塚祐司】