札幌ジェイ語った ルヴァン杯決勝川崎F戦の舞台裏

練習最後にランニングする札幌FWジェイ(左から2人目)(撮影・保坂果那)

北海道コンサドーレ札幌FWジェイ(37)が30日、札幌・宮の沢での練習後、準優勝だった26日ルヴァン杯決勝川崎F戦を振り返り、舞台裏について語った。PK戦で最後のキッカーとなったDF進藤亮佑(23)が右足首に痛み止めの注射を打って試合に臨んでいた話などを明かし、後輩を思いやる気持ちをあふれさせていた。

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スタジアムはとても雰囲気が良く、たくさんのサポーターが来てくれて、いつも以上に熱く応援してくれた。ピッチに立った瞬間にすごく感じた。俺はヨーロッパで大人数の前でプレーしたことがあるから慣れているけど、ほかの選手たちは慣れていなくて、緊張している選手もいた。試合前には何人かが俺のところに来て「ジェイ、緊張してる。ドキドキしてる」って言っていた。(荒野)拓馬、進藤、(キム)ミンテ、白井、ムサ(鈴木)だったかな。

それは普通のこと。こういう舞台が初めてという選手ばかりだったから。みんなには「怖がらず、考えすぎずにいつも通りプレーすれば問題ないよ」って言ってあげた。俺の仕事はもちろんピッチの上で活躍することだけど、ピッチの外でも若い選手にアドバイスして助けてあげることだから。

試合内容は前半は非常に良かったと思う。特に最初の方はボールをうまくつないでいて、バランスが良かった。チャンスも十分作れていたけど、最後のパスがちょっとダメだった。もっとうまくできたと思う。川崎Fは攻撃力のあるチームだけど、うまく守備もできていた。だから前半終了間際に失点したのはもったいなかった。

俺は進藤を尊敬している。彼はうちのチームでこの2シーズン、一番活躍しているディフェンダーだ。毎試合フルで出ていて、プレーが安定している。いつでも進藤の力が必要だ。PKを外したけど、蹴る勇気があったのが大事。みんな多分知らないと思うけど、進藤は試合前に右足首に痛み止めの注射を打っていた。それなのに120分プレーして、PKまで蹴った。彼がそれを言い訳にしていないことも、すごいと思う。

試合後のロッカールームの様子は、実は俺はあまり記憶がないんだ。ショックで自分の世界に入っていたから。ミシャ(ペトロビッチ監督)が何を話していたのかも覚えていない。もちろんみんなもがっかりしていた。日本人はポーカーフェースで、普段みんなの前であまり悔しがったりしないけど、落ち込んでいた。

決勝がシーズンの途中にあるのは難しい。負けても落ち込む暇があまりないから。だけどプロだったら、決勝だけ特別頑張るということはないと思う。決勝であれだけできたなら、毎週リーグ戦でも同じようにやらなきゃいけない。シーズン残り5試合で結果を出さなきゃ。今日の練習でもみんないいリアクションだった。普段どおり集中しているし、前向きな雰囲気だった。(11月2日ホーム)名古屋戦に切り替えるしかないんだ。応援してくれるみんなのために。